【医療法】病棟の医療機能、電子レセプトに入力/報告制度で厚労省提案
医療法を改正して導入する病床機能報告制度について、医療機関が都道府県へ報告する手法の具体的な検討が始まった。「病棟単位」でどのような医療が提供されたかについては、電子レセプトを活用し、患者が入院していた病棟の医療機能情報(高度急性期・急性期・回復期・慢性期)を医療機関が入力する手法を採用する方向となった。厚生労働省が12月27日の「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」(座長=遠藤久夫・学習院大経済学部長)で提案し、反対意見は出なかった。電子レセプトを導入していない医療機関への対応についても検討する。
報告制度では、医療機関が病棟単位の医療機能を▽高度急性期▽急性期▽回復期▽慢性期―のいずれかから選択して都道府県に報告する。加えて「病棟の人員配置や構造・設備」「具体的な医療の内容」なども報告する方向で検討している。厚労省は、現行のレセプト様式を工夫することで、病棟単位で提供している「具体的な医療の内容」を把握する手法を提案した。
●機能ごとに9桁のコードを入力
厚労省の提案は、医療機関の経済的・人的負担を軽減する観点から、電子レセプトを活用し、病棟の情報を入力する仕組み。例えば「5階東
高度急性期」の病棟は「190610004」、「8階西
回復期」は「190630001」など9桁のコードを設定し、電子レセプト作成時に入力するイメージ。
電子レセプト情報の収集については医療法で使用目的を規定することや、国が全国共通のサーバーを整備することを前提に、厚労省が▽医療機関が電子レセプトを匿名化した上で都道府県に必要なデータを送付する▽既存の「レセプト情報・特定健診等情報データベース」(NDB)を活用することで都道府県に報告したものとみなす―の2案を提示した。構成員からは、医療機関への負担軽減の観点で、NDBを活用する案を支持する意見が多数を占めた。
●システム改修は改定のタイミングで
電子レセプトを活用して病棟ごとの医療内容を収集する場合に必要となるレセプトコンピューターの改修のタイミングについては、医療機関の負担を軽減する観点から、2014年4月の次期診療報酬改定に合わせることを提案した。構成員からは、周知期間が不十分な可能性があるとの懸念が示されたため、次回以降の会合で、システム改修が14年4月に間に合わないことを想定した対応や今後のスケジュールなどについて議論する。厚労省は報告制度を14年度中に開始する予定で医療法改正の作業を進めている。(12/27MEDIFAXより)