【医療法】医療制度の大改正、厚労省は「一括法案」で調整/次期通常国会  PDF

【医療法】医療制度の大改正、厚労省は「一括法案」で調整/次期通常国会

 厚生労働省は1月24日召集予定の次期通常国会に、医療法改正案や介護保険法改正案の内容を1本の法案にまとめて提出する方向で調整している。医療法、介護保険法、保健師助産師看護師法の改正のほか、医療計画と介護保険事業支援計画の整合性を確保して新たな基金を創設する取り組みをカバーする内容まで盛り込む方針だ。ただ、自民党内には一括審議への反対論もある。医療制度の大改正を審議する次期通常国会開幕へ向け、法案の提出方法をめぐり流動的な状況となっている。

 医療・介護関連の提出予定法案の仮称は「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の一部改正案」で、主な目的は地域包括ケアシステムの構築だ。医療法関係では病床機能の報告制度導入や、都道府県による地域医療ビジョンの策定、医療事故調査制度の創設などがある。介護保険法関係では、在宅医療と介護の連携や認知症施策の推進など地域支援事業を充実させるほか、低所得者の保険料軽減措置を拡充する。

 このほか、消費税増収分を活用した新たな基金を都道府県に設置したり、医療計画のサイクルを介護に合わせ5年から6年に変更する。看護師が診療の補助として実施する「特定行為」も明確化する。施行期日は介護保険法の関係を除き、公布の日から6カ月以内の政令で定める日を予定している。

 医療・介護の一括法案は審議の優先度が高い重要な予算関連法案だ。成立すれば、数多くの案件が盛り込まれた大改正になる。次期通常国会では今後の医療制度をめぐり激しい論戦が繰り広げられそうだ。

 厚労省は、厚生労働大臣が難病施策の基本方針を策定したり、難病への新たな医療費助成制度を確立させる「難病の患者に対する医療等に関する法案」も提出し、疾病対策を進める。小児慢性特定疾患への医療費助成制度の確立を盛り込む「児童福祉法の一部改正案」と一括審議できるよう調整中で、両法案とも2015年1月1日の施行を予定している。どちらも予算関連法案だ。

●基盤研は「医薬基盤・健康・栄養研究機構」へ
 このほか、民主党政権時から積み残しになっていた「労働安全衛生法の一部改正案」も提出する方針だ。胆管がんなど近年の労働災害を踏まえ、労働災害を未然に防止する仕組みを充実させる内容を盛り込んでいる。メンタルヘルス対策については過去に提出した際と同様の内容となる。

 医薬品関係では「医薬基盤研究所法の一部改正案」を提出する。基盤研と国立健康・栄養研究所を統合し、新たに「独立行政法人医薬基盤・健康・栄養研究機構」とする内容。医療・介護の一括法案などの審議による国会の時間切れを避けるため、安衛法改正案と基盤研法改正案は、参院で先に審議することを希望している。(1/7MEDIFAXより)

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