【医療法】医師数の適合率91.8%、1.8ポイント改善/10年度立ち入り検査
厚生労働省は9月20日、医療法第25条に基づく立ち入り検査の2010年度結果を公表した。医療法で規定している医師数の基準を満たした病院の割合「医師数の適合率」は91.8%で、09年度より1.8ポイント改善した。だが、厚労省が検査項目として通知で例示している全101項目の中で見た場合、「医師数」の適合率は下から2番目で、依然として低かった。
医療法第25条に基づく立ち入り検査は、医療法や関連法令で規定している医療従事者数や安全管理体制などを病院が満たしているか調査するのが目的。毎年、都道府県や自治体が立ち入り検査を実施している。厚労省は最低限の検査項目として101項目を例示しており、各自治体が独自に検査項目を付け加えて立ち入り検査を行っている。厚労省は、各検査項目を満たしている病院の割合を適合率として算出した。
10年度は全国8199病院で立ち入り検査を実施(実施率=94.6%)。診療所は含まれていない。調査は10年度6月ごろから翌3月末までの間に行われたため、実質的には東日本大震災発生以前の状況を表した結果になる。
医師数の適合率を地域別に見ると、最も高かったのは「近畿」で97.0%、次いで「関東」95.7%、「東海」94.7%、「九州」92.6%となり、いずれも全国水準を上回った。最も低いのは「北海道・東北」の81.6%で、「北陸・甲信越」87.3%、「四国」89.5%、「中国」90.8%と続いた。いずれの地域でも医師数の適合率は前年度に比べて改善した。最も伸び率が高かったのは北海道・東北で、前年度から3.8ポイント改善した。
医師数の適合率を病床規模別に見ると、病床規模が大きくなるにつれて適合率が上昇している。最も高いのは「500床以上」で98.4%、次いで「400−499床」の97.2%、「300−399床」の95.7%が続いた。また、神病床を持つ病院と持たない病院で比較したところ、持つ病院の医師数適合率は95.0%、持たない病院では91.2%となり、精神病床を持つ病院の方が適合率が高かった。
全検査項目の中で、最も適合率が低かったのは「職員の健康管理」で89.7%。次いで「医師数」の91.8%、「医療機器の保守点検実施」の94.4%となった。「薬剤師数」は95.3%で6番目に低かった。「看護師・准看護師数」は99.4%でワースト20位から外れている。(9/21MEDIFAXより)