【医療安全】第三者機関の役割や機能/医療安全調査機構が検討開始
日本医療安全調査機構(久史麿代表理事)は厚生労働省が検討を進めている医療事故調査制度で中心的な役割を果たす第三者機関に指定されることを目標に、その役割や機能などについて検討を開始した。年度内にも提言として意見を取りまとめ、関連する法改正に反映させたい考え。厚労省は医療事故調の運用などに関するガイドラインの作成を予定しており、その内容に取り入れられることも目指す。議論の場となる推進委員会(委員長=木村壮介・同機構中央事務局長)が9月に開いた初会合では、委員長提案に基づき、第三者機関の基本理念や診療関連死の考え方などについて議論した。10月3日の同機構運営委員会で木村委員長が報告した。
第三者機関の機能・役割については、▽医療事故報告の受付・相談対応▽院内調査の支援▽院内調査報告書の審査・分析・集計▽再発防止策の還元▽遺族または医療機関の求めに応じて行う医療事故に係る調査受付・実施▽調査・評価に関わる人材の育成―の項目ごとに議論を進める。医療事故報告の受付・相談は、24時間以内の「第一報」、院内調査委員会から事例の詳細報告と調査計画書の提出を求める「第二報」、院内調査委員会が最終報告書を提出する「第三報」の手順に従って応需体制などを検討している。
●重要課題に剖検体制
木村委員長は、医療事故調の重要課題に剖検体制を挙げ、同推進委にワーキンググループを設置して集中的に検討する考えを示した。また、院内事故調査の現状を調査するため、同機構が受託している厚労省のモデル事業の調整看護師らの報告などを分析し、医療事故の内容や調査の記録様式、外部の専門家などの支援体制などについて検証する方針も明らかにした。(10/4MEDIFAXより)