【医療保険部会】保険機関の指定権限「都道府県へ付与」に反対/医療保険部会  PDF

【医療保険部会】保険機関の指定権限「都道府県へ付与」に反対/医療保険部会

 社会保障制度改革国民会議の「議論の整理案」に示された「都道府県に保険医療機関の指定・取消権限を付与する」との提案をめぐり、5月10日の社会保障審議会・医療保険部会(部会長=遠藤久夫・学習院大教授)では、現行法に基づき地方厚生局の下で全国一律の基準で行うべきとの意見が大勢を占めた。国民会議委員の提案には否定的な意見が強かった。

 白川修二委員(健保連専務理事)は「現在の仕組みに問題があるのか。地方の事情もあるだろうが、保険者としては公平な目で全国一律な基準で進めてもらいたい」と述べた。堀憲郎委員(日本歯科医師会常務理事)も、都道府県に付与した場合、ばらつきが出る可能性があるとして慎重な議論を求めた。

 岩村正彦部会長代理(東京大大学院教授)も「公的医療保険は国保だけではなく、全国的に展開している協会けんぽや健保組合なども関わっており、国が指定・取り消しの権限を持つべきという意見の方が、法の趣旨にはかなうと思う」と述べた。

 その上で「国民会議の考え方の詳細は分からないが、医療計画にのっとった地域の医療提供体制の整備という目的で、補助金のメカニズムとセットで都道府県に指定・取り消しの権限を与えようという考えであって、現在、診療報酬体系でやっている病院の機能分化などの施策を、医療法による地域の医療供給体制の整備に移すという構想ではないか」と説明。「補助金のメカニズムとセットで都道府県に指定・取り消し権限を与えて地域の医療供給体制を進める仕組みには必ずしも賛成できない」と強調した。

 国民会議の議論の整理案では「医療計画の策定者である都道府県を国保の保険者とし、さらに、は都道府県に保険医療機関の指定・取消権限を与えるほか、その実効性を高めるための諸施策を講じ、医療法改正に明示すべき」とされている。

●診療報酬は全国一物一価で
 一方、白川委員は、国民会議の整理案で「都道府県への医療供給に係る統制力と地域特性に応じた診療報酬設定の一部権限委譲も必要」との記載に言及し、「診療報酬は全国一物一価でいくべきだ」と反論した。(5/13MEDIFAXより)

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