【医療保険】総報酬割「全面導入」で議論開始/後期高齢者支援金
社会保障審議会・医療保険部会は11月16日、2013年度予算編成に向けた議題として、被用者保険の保険者が負担する後期高齢者支援金(支援金)について総報酬割の全面導入の是非を議論した。
協会けんぽの財政を支える目的から12年度までの3年間については特例措置として、支援金の3分の1に総報酬割を導入している(残りは加入者割)。特例措置の時限が切れる13年度以降の負担方法について、厚労省保険局は加入者割と総報酬割の違いを説明。全面総報酬割では、加入者の総報酬額に応じた負担となるため、支援金は保険者の財政力に応じた負担で賄われることになるとした。
総報酬割3分の1の導入で、健保組合・共済組合は負担増となった。白川修二委員(健保連専務理事)は「総報酬割に反対はしていない」と強調する一方、全面総報酬割となった場合、協会けんぽにとっては、特例措置を含む国庫補助相当額の負担軽減(約2100億円)が発生すると指摘。国庫補助は協会けんぽと他の被用者保険との報酬差を埋めるための措置であり、総報酬割の全面導入で本来の目的が消滅すれば「財務省に召し上げられて、他の項目に使われかねない」と懸念を表明した。協会けんぽの負担軽減で発生する財源を、前期高齢者納付金への公費負担に充てるよう求めた。
この議題について、鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は「全面導入に理解をいただきたい」との意見を示した。
総報酬割については2月に閣議決定された社会保障・税一体改革大綱で、検討することとされていた。医療保険部会では13年度予算編成に向けて継続審議する。(11/19MEDIFAXより)