【医療保険】産科補償保険料1.6万円を了承/医療保険部会、出産一時金は議論継続
社会保障審議会・医療保険部会は4月21日、産科医療補償制度について、現在の保険料3万円を1万6000円に見直す案を了承した。これまで積み上がった剰余金から1分娩当たり8000円を充当するほか、制度創設時の推計よりも下回っている補償対象数を保険料水準に反映させる。一方、同制度の保険料引き下げに併せ、出産育児一時金の見直しも議論になったが結論は出ず、あらためて議論することになった。
厚生労働省が、2014年1月の医療保険部会での方針に基づく補償対象者数の推計と、保険料水準を示した。対象者数の推計は年間571人(推定区間423−719人)となり、保険料水準は2万4000円になると報告。これに2009−14年分で約800億円の見込みとなる剰余金から、1分娩当たり8000円を充当し、新たな保険料を1万6000円とすることを提案した。充当期間は約10年の見込みで、15年1月から適用する。
●出産費用、東京と鳥取で20万円の開き
厚労省は、都道府県別に出産費用を示した資料を提示した。病院、診療所、助産所を合計した12年度のデータで、妊婦合計負担額が最も高いのは東京で、最も低いのは鳥取だった。東京は平均値58万6146円、中央値55万9590円。鳥取は平均値39万9501円、中央値40万2861円で、平均値は20万円近い差があった。全国の平均値は48万6734円、中央値47万7000円だった。(4/22MEDIFAXより)