【医療保険】産科補償、「剰余金」「保険会社」で疑義/医療保険部会  PDF

【医療保険】産科補償、「剰余金」「保険会社」で疑義/医療保険部会

 社会保障審議会・医療保険部会が11月7日開かれ、7月の前回会合に続いて日本医療機能評価機構が運営している産科医療補償制度に対して白川修二委員(健保連専務理事)や小林剛委員(全国健康保険協会理事長)らが制度運用に強い疑義を提示した。医療保険部会は、保険局、医政局にまたがる課題として「そう遅くない時期に」に引き続き議論を重ねていくことを決めた。

●透明性の高い制度を
 日本医療機能評価機構から上田茂理事が参考人として出席し、産科医療補償制度運営委員会での制度見直しの検討状況について報告した。

 白川委員は、前回の会合で問題を指摘した点を含め▽制度設計時の給付対象者500−800人が、200人に満たない現状を踏まえ、掛け金3万円は早急に見直すべき▽過去3年間で毎年200億円ずつの剰余金を今後どう扱うのか▽公的保険制度なのに民間保険会社の大きな利益構造になっており、契約内容を見直すべき―と重ねて指摘した。

 加えて、事務経費で保険会社に有利になっていると問題提起し「契約は保険会社5社となっているのに、そのうちの1社が3分の2のシェアを占めていることは、公的保険制度の観点からも許容できない。見直すべきだ」と述べた。

 小林委員は「補償対象範囲、補償水準、掛け金の水準、剰余金の使途などを機構の運営委員会で議論し、医療保険部会に報告・理解を得て進めていくというのはおかしい。制度については、医療保険部会が議論すべき場である」と問題視した。

 樋口恵子委員(高齢社会をよくする女性の会理事長)は「産科医療補償制度は続けていくべきだ」とした上で、「制度運営は誰が主体なのか見えない。保険会社についても透明性の確保が大事。保険会社は実名を挙げるべき」と疑問を示した。菅家功委員(連合副事務局長)は「制度については医政局が対応すべきだ」とした。

●評価機構「厚労省と相談し進める」
 同機構の上田理事は「産科医療補償制度は全国的にデータがな中での制度設計だった。補償対象者が推計値を上回る可能性もあったので、対策も講じたが、委員の指摘があった制度運営益の問題、保険会社の事務経費の問題については厚生労働省、保険会社と相談して進めていく」とした。剰余金の使途については「将来の保険料に対して掛け金を下げるべきとの意見や、保険対象範囲や補償水準の見直しに活用すべきなどの意見もある。制度全体の在り方の中で議論をしていきたい」とした。「保険対象範囲、補償水準の見直しなどを考慮すると2015年をめどに制度の見直しを進めたい」とも述べ、厚労省と相談しながら進めていくとした。

 遠藤部会長は「この問題はまだまだ解決されていない。運営上の透明性、ガバナンスをどうするのか明確にすべき。保険会社への委託についても疑義があり、議論していくべきだ」と整理。厚労省も「医政局とまたがる課題であり、今後、事務局で議論を整理し、そう遅くない時期に議論をしてもらいたい」とした。(11/8MEDIFAXより)

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