【医療保険】公費負担引き上げ検討を/医療保険で厚労相
田村憲久厚生労働相は5月27日、高齢化の進行に対応するため、医療保険制度の公費負担引き上げを検討するべきだとの認識を示した。都内で開かれた財界人らの政策提言組織「日本アカデメイア」の会合で講演した。
田村氏は「高齢化に伴うリスクは社会全体で支えるべきではないか」と指摘。給付費等の約50%が公費負担の後期高齢者医療制度について「50以上入れる考えもある」と述べた。
後期医療制度の給付費等の負担割合は公費約50%のほか、健康保険組合や協会けんぽなど現役世代が加入する保険が約40%、高齢者自身の保険料が約10%。健康保険組合連合会(健保連)などから高齢者医療向け支援金について「負担が重い」と不満の声が出ている。保険料を引き上げる健保組合も多く、そうした点を考慮した発言とみられる。
田村氏は、協会けんぽなどからの納付金による65−74歳の医療給付費の財政調整に、公費を投入する考えにも言及。介護保険への公費負担引き上げも含め「消費税(増税)を機に、そういう使い道をするか、議論しなければならない」と強調した。【共 同】(5/28MEDIFAXより)