【医療保険】「在宅の急変」は亜急性期?急性期?/改定基 本方針で医療保険部会
厚生労働省の社会保障審議会・医療保険部会は8月1日、2014年度診療報酬改定の基本方針策定に向け議論した。厚労省がこれまでの議論の整理として示した資料の亜急性期の部分に「在宅患者の急変時の受け入れ」と記載されたことついて、鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)が「在宅患者をひとくくりにして亜急性期で受け入れるのは実態を反映しない」と削除を求めた。これに対し武久洋三委員(日本慢性期医療協会長)は「高度急性期で診なくてもよい患者が多く、その一部を亜急性期が担当すべきという意味だ」と反論し、削除すべきでないと主張した。
厚労省は、前回7月25日の議論や、12年度診療報酬改定の基本方針などを踏まえ「次期改定における一体改革関連の基本的な考え方(議論の整理)」を提示した。「基本認識」と「次期改定(一体改革関連)の基本的な考え方」の2部構成で、「基本認識」には病院・病床の機能分化と強化や、一般病棟の長期入院適正化、在宅医療の充実などを挙げた。病床機能の分化は段階的に進め、チーム医療の推進も必要と記載した。
「次期改定の基本的な考え方」は、入院・外来・在宅に分けて示した。入院では急性期病床の機能明確化や急性期病院の平均在院日数短縮、亜急性期・回復期を担う病床の機能明確化などを、外来ではかかりつけ医機能の評価や大病院の紹介外来推進などを、在宅では在宅療養支援診療所・病院の機能強化や訪問診療の適正化などを挙げた。
議論の中心になったのは病床機能の分化・強化だ。亜急性期病床の機能の例として資料に盛り込まれていた「在宅患者の急変時の受け入れ」について鈴木委員は「在宅患者もいろいろ」「急性期には、重傷、中等症、軽傷がある」「分化を性急に行うと現場が混乱する」と指摘し削除を求めた。中医協・入院分科会の議論を引き合いに「7対1の急性期病床を無理やり減らして亜急性期にしようとしている」とも述べ「サブアキュートは急性期、ポストアキュートは亜急性期にするのが自然。具合の悪い人はいったん全て急性期で受け、落ち着いたら早期に亜急性期に移す方がスムーズ」と提案した。
武久委員は「亜急性期は、ポストアキュート、サブアキュート、リハビリの3つの機能を持った新しい概念」とし、25年を見据えた機能分化が必要だと主張した。
●療養病床の再編計画は
白川修二委員(健保連専務理事)が口火を切る形で、介護療養病床の再編も議論になった。介護療養病床は11年度末までに廃止し介護老人保健施設などへ転換することが決定していたが、現在の介護療養病床は18年3月31日まで廃止が延長されている。
白川委員は医療保険部会で介護療養病床の再編に関する議論をすべきと主張。遠藤部会長は「非常に大きな議論になる。診療報酬とは直接関係ないが、関連はする。療養病床再編計画を医療保険部会で議論するのかどうか事務局と相談する」と引き取った。(8/2MEDIFAXより)