【医療イノベ】がん革新薬創出へ局横断組織を設置/厚労省推進本部
厚生労働省医療イノベーション推進本部(本部長=小宮山洋子厚生労働相)は7月6日開かれ、がん医療と再生医療の施策を進めるため、省内に局横断で課長級の担当者を集めたタスクフォースをそれぞれ設置した。がん医療のタスクフォースでは、「医療イノベーション5か年戦略」に掲げた日本発の革新的ながん治療薬を創出するため5年以内に10種類程度の医師主導治験を実施することを目標に掲げている。
推進本部は、政府の「医療イノベーション5か年戦略」を省全体で推進するため5月に設置された。厚労省医政局経済課によると、5か年戦略に掲げた施策のうち、まず議論を進める必要のあるがん医療と再生医療についてタスクフォースを設置した。
がん医療では、難治性がんや希少がん等を中心に、がんペプチドワクチンをはじめとしたがん免疫療法、抗体医薬等の分子標的薬、核酸医薬等の創薬研究を行い、5年以内に10種類程度、医師主導治験へ橋渡しすることを目指す。
推進本部の資料によると、タスクフォースの取り組みとして、バイオリソースを収集しがんゲノムの解析を行うなどの基盤整備を行った上で、創薬の研究事業を推進する。コンパニオン診断薬との同時開発も進める。
さらに、創薬支援ネットワークの2014年度中の構築や臨床研究中核病院15カ所程度の13年度末までの整備、医薬品医療機器総合機構の専門性の高い審査員の増員などで創薬から治験、薬事承認につなげる取り組みを推進する。
●再生医療製品の規制見直しへ
一方、再生医療のタスクフォースでは、再生医療製品に関する薬事規制の在り方について見直しを行い、規制の仕組みを構築した上で、13年の次期通常国会までに薬事法改正法案を提出する・
次回の推進本部は、夏の13年度予算概算要求の提出前後に開。 各タスクフォースの構成員は次の通り。
〔がん医療〕=大臣官房厚生科学課長、医政局研究開発振興課長、健康局総務課長、がん対策・健康増進課長(リーダー)、医薬食品局審査管理課長、安全対策課長、保険局医療課長
〔再生医療〕=大臣官房厚生科学課長、医政局総務課長、経済課長、研究開発振興課長(リーダー)、健康局疾病対策課長、医薬食品局総務課長、審査管理課長、監視指導・麻薬対策課長、血液対策課長。(7/10MEDIFAXより)