【医学部新設】東北で1校に限り医学部容認/文科省が基本方針
文部科学省は11月29日、震災復興などを目的に東北地方で1校に限り医学部新設を可能とし、最短で2015年4月からの開学が可能となるよう手続きを進めるとの基本方針を決めた。教員を確保する際に引き抜きなどで地域医療に支障を来さないことや、医師需給に応じて定員を調整する仕組みを講じることなどを設置認可の条件とする。
基本方針によると、通常の設置認可手続きの前に、希望する学校法人や地方公共団体から医学部新設構想を受け付ける。構想の審査に当たっては▽震災後の東北地方の地域医療ニーズに対応した教育を行う▽教員や医師、看護師の確保に際し、引き抜きなどで地域医療に支障を来さないような方策を講じる▽大学と地方公共団体が連携し、卒業生が東北地方に残り、地域の医師不足の解消に寄与する方策を講じる▽将来の医師需給などに対応して定員を調整する仕組みを講じる─に留意するとした。
医学部新設をめぐっては、宮城県知事の要請を受けた安倍晋三首相が、検討するよう下村博文文部科学相に指示していた。日本医師会は、教員の引き抜きによって地域の医師不足が加速する懸念があることや、これまでの医学部定員増によって医師数確保にめどが付いた点を指摘し、医学部新設に反対してきた。(12/2MEDIFAXより)