【医学部】医学部新設「復興のシンボルに」/自民議連、日医反対も方針維持  PDF

【医学部】医学部新設「復興のシンボルに」/自民議連、日医反対も方針維持

 自民党有志でつくる「東北地方に医学部の新設を推進する議員連盟」(会長=大島理森・前副総裁)は2月22日、医学部新設に関する日本医師会の考えを聞き取った。日医の中川俊男副会長は医療の質や地域医療への影響を訴え反対を表明した。議連は日医が指摘した問題点を検証する考えだが、他の地域の医学部新設の動きとは切り離し「東北での新設は震災復興のシンボル」として取り組みを進める方針を確認した。

 中川副会長は医師の絶対数確保にめどがつき始めていると説明し、今後は医師の地域偏在、診療科偏在の解消が急務であると主張。医学部新設の問題点として▽教育確保のために医療現場から約300人の教員(医師)を引き揚げなければならず、かえって地域医療の崩壊が加速する▽教員が分散すれば医学教育の水準、医療の質の低下を招く▽人口減少をはじめとする社会の変化に対応した医師養成数の柔軟な見直しが難しくなる−の3点を指摘した。

 これに対し出席議員から「教員の確保は周辺だけに頼らず、全国各地から集う方法もあるのではないか」「医師偏在は長年解消できていない問題だ。医師会としてどのようにすれば解消できるのか考えてほしい」などの意見が出たという。議連は今後、日医が問題視した点を検証する予定で、「300人規模の教員確保が必要か」「教育水準の低下につながるか」などがテーマになる見通し。

●東北医連と3大学が反対要望
 東北6県の県医師会でつくる東北医師会連合会は21日、下村文科相や高市政調会長らに反対の要望書を提出した。岩手医科大、東北大、福島県立医科大の3大学も22日、連名の反対要望書を下村文科相らに出した。(2/25MEDIFAXより)

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