【勤務医】兵庫県医「勤務医医師会」設立へ/勤務医担当理事連絡協で報告  PDF

【勤務医】兵庫県医「勤務医医師会」設立へ/勤務医担当理事連絡協で報告

 都道府県医師会勤務医担当理事連絡協議会は11月30日、東京・本駒込の日本医師会館で開かれ、「勤務医の組織率向上に向けた具体的方策」をテーマに議論した。兵庫県医師会の妹尾栄治常任理事は「勤務医医師会」の設立へ向けた動きを紹介。意見聴取などを目的とした「研修医・勤務医懇話会」を10月に開催した上で、2013年4月にまず「研修医会」を発足し、14年4月以降に勤務医医師会の設立を目指すロードマップを示した。

 既存の郡市区医師会との混乱を避けるため、管理的な地位に就いていない未入会の勤務医(研修医・専攻医)を対象に想定しているという。兵庫県全域の勤務医を対象に郡市区医師会と同等の位置付けにするとした。「負担のない濃厚な活動」を目標に、県医による事務局機能の代行や、意見集約・協議などにインターネットを活用することなどを提案した。

●強制加入か任意加入か、「いずれは方向を」/日医・今村副会長

 一方、勤務医の加入率向上策について日本医師会の今村聡副会長は、強制度の度合いによって「完全強制加入(例=医師法に規定)」「実質的強制加入(例=保険医の指定)」「加入していないと不便な状態(例=日医認証局の利用、生涯教育制度の専門医の要件とする)」などがあるとし、「いずれは方向を打ち出した中で、どうするかという話にできれば」と述べた。「組織の力が大きければ、組織全体の発言力、実現力が増す。国を動かす力が強くなる」と協力を求めた。

 大都市でありながら日医への加入率が71%と高い大阪府医師会の上田真喜子理事は「医学・医療の諸問題を解決するには、開業医と勤務医の両者の連携を基盤にした部会・委員会活動が重要」と提言した。大阪府医では部会・常置委員会の委員のうち、勤務医が33.2%を占める。勤務医部会は11地域のブロック委員会を基盤として活発に意見交換していると報告した。

 日医加入率が95%と全国一高い鹿児島県医師会の中村一彦常任理事は「秘策はない」と述べた上で取り組みを紹介した。鹿児島県医では「勤務医生協」を設置。地元百貨店で5%割引で買い物ができるなどの特典があるドクターズカードなどを発行している。勤務医からの聞き取りでは「『実益』で入ったが、今は勤務地の医師会に移り、仕事がしやすい」などの意見があったという。

 協議では医師会加入によるメリットや勤務医が参加しやすい環境整備などをめぐって意見を交換した。(12/3MEDIFAXより)

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