【処方箋】処方箋の電子化へ、2−3年後に省令改正/厚労省が提案
厚生労働省は2月20日の「医療情報ネットワーク基盤検討会」(座長=大山永昭・東京工業大教授)に、2−3年後をめどに厚生労働省令を改正し、実施環境が整備された地域で電子処方箋の運用を可能とする方針を提案した。3月にも次回の会合を開き、処
方箋の電子化も含めた同検討会の報告書取りまとめを目指す。
処方箋を電子化するにはまず、医療機関と保険薬局の間に「処方箋ASPサーバー」を設置する必要がある。医療機関側が発出する処方箋情報と、保険薬局側が出す調剤実施情報は、サーバーを介して関係者が情報共有可能な仕組みを想定している。患者には本人確認のためのICカードなどを配布し、薬局は患者が持参したICカードでサーバーから情報を取得することができる。
現在、医師から紙媒体で交付された処方箋を薬局側がスキャナーを使って電子化して保存することは認められているが、電子処方箋は厚労省令で認められていない。厚労省は今後、ASPサーバーが持つべき機能や、多重使用を回避するための手順などを定めたルールなどを実証事業で確認し、2−3年後をめどに省令を改正する考えを示した。
電子処方箋の運用を開始するために必要な環境として厚労省は▽電子化を開始する圏域(2次医療圏単位など)内の医療機関・薬局の体制整備が網羅的である▽記名押印として電子署名が必要となり、HPKIが普及されている▽患者の求めやシステムなどの障害時を想定し、紙による交付にも対応できるようにしておく−を挙げた。構成員からは、同検討会の報告書の中に、処方箋を電子化するメリットとデメリットを書き込むべきとの意見が相次いだ。(2/21MEDIFAXより)