【内保連】軽視された医療者の技術料アップを/内保連・工藤代表  PDF

【内保連】軽視された医療者の技術料アップを/内保 連・工藤代表

 内科系学会社会保険連合(内保連)の工藤翔二代表は、取材に応え「次期診療報酬改定に向け、軽視されてきた医療者の技術料の引き上げを厚生労働省に対して要望した。特に抗悪性腫瘍薬などでの医師の処方技術評価の改善や、血液採取料など内科系技術評価の改善などを求めている」と述べた。「国の財政方針と消費税増税の扱いなどによって診療報酬の増減そのものが不透明な状況だが、引き続き本体プラス改定を要望する」とも述べた。

 医師の処方技術評価の改善について工藤代表は「内科系治療技術の根幹である薬物療法における処方技術に対する評価は極めて不十分だ。是正には、注射の処方技術評価をはじめとする抜本的な改善が必要だ。次期改定では第一歩として、がん医療での薬物療法に関する処方技術評価の改善を要望する」とした。中でも抗悪性腫瘍薬に関しては、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる重大な副作用が生じる薬剤であるにもかかわらず、月1回に限り70点という「抗悪性腫瘍剤処方管理加算」の設定は、薬剤の重大性からみて処方技術があまりに軽んじられているとし、再評価すべきとした。

●血液採取料「抜本的な再評価が急務」
 血液採取料の見直しについて工藤代表は「血液採取料は、前回改定で13点が16点に増点されたが、コーヒー1杯の金額にも満たない点数は医療者の労力と技術をあまりに軽視したものだ」と指摘。採血は日本国内全体で年間約1億回とされる。日本臨床検査振興協議会・医療政策委員会(検査4団体で組織)が2010年に実施した大規模採血コスト実態調査では、採血1件当たりの平均コストは約490円という結果が出ているという。工藤代表は「医療技術の適正評価と安全性の担保のために抜本的に再評価すべきだ」と強調した。

●臨床検査、許認可システムの改善を
 さらに内保連は、薬事承認が障壁となって諸外国に比べて遅れている臨床検査について、許認可システムの改善を求めている。治療薬として薬事承認されているにもかかわらず、検査の負荷試験薬としては未承認のものについては一括薬事承認が得られるよう要望しているほか、試薬の薬事承認がないことを理由に採択されない病原微生物の遺伝子検査についての承認ルールの設定も、今後求めていく。

 内保連加盟121学会のうち102学会は、14年度診療報酬改定に向けて未収載医療技術140件、既収載医療技術225件、医学管理料等74件などで合計487件を要望提案している。内科系の「高度な医療技術(医療資源必要度の高い技術)」を要する特定内科診療25疾患を、DPC?群病院の実績要件に組み込むことについて、工藤代表は「次々回の16年度改定を目指す」としている。(8/28MEDIFAXより)

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