【内保連】内科技術の診療報酬、提案集を初発刊/内保連、次々期改定見据え
内科系学会社会保険連合(内保連)は、内科系技術の診療報酬評価に関する提案をまとめた「内保連グリーンブック」(ver.1)を発刊した。初版となる今回のグリーンブックは、次々期改定を見据え、DPC?群病院の実績要件として内科系技術の評価を取り上げた。内保連の工藤翔二代表は12月26日、取材に応え「次期改定での導入を目指したが、時間的に間に合わなかった。今後もデータを集積して次々期改定で内科系技術の評価を充実させたい」と述べた。
DPC?群病院となるための実績要件は?診療密度?医師研修の実施?高度な医療技術の実施?重症患者に対する診療の実施─の4つ。2014年度診療報酬改定では、DPC病院?−?群の設定は変更しないことが決定されており、DPC?群の実績要件も踏襲される方向だ。
内保連は次々期の16年度診療報酬改定で、DPC?群病院の要件のうち?の「高度な医療技術の実施」として、高度な内科系技術を要する26疾患(特定内科診療対象疾患)の診療実績を満たす新基準を追加するよう求めていく計画だ。
26疾患は誰が見ても内科治療上極めて労力を要する重篤な急性疾患・病態で、重症脳卒中、化膿性髄膜炎、急性心筋梗塞、劇症肝炎などをリストアップしている。▽現行の診療報酬点数表による評価が内科系技術の評価として無視できないほど欠落している▽医師の負荷や患者への貢献についてのエビデンスがある─などを指標に選抜した内科系疾患だ。グリーンブックでは、26疾患に対する現場の内科系医師の診療負荷の実態を検証した調査結果なども網羅した。
●DPC?群要件に「高度な内科系技術の3要件」を
現行のDPC?群病院の実績要件「高度な医療技術の実施」は▽手術1件当たりの外保連手術指数▽DPC算定病床当たりの同指数▽手術実施件数─が指標となっており、外科系の要件となっている。内保連は、特定内科診療対象疾患の実績要件として▽月間症例数▽月間100床当たり症例数▽症例割合─の3基準を一定割合以上確保していることを「高度な内科系技術の3要件」として設定するよう求める考えだ。
工藤代表は「内保連はデータに基づき一つずつ診療報酬評価を提案していきたい。その提案集としてグリーンブックを初めてまとめた。一つのテーマだけを追いかけるのではなく、さまざまなテーマを取り上げていくことが求められている。患者への説明と同意、薬物療法など課題は多い」と述べた。(12/27MEDIFAXより)