【共通番号】マイナンバーで二重検査や医療事務費削減/須藤東大院教授試算
有識者らで構成する「わたしたち生活者のための『共通番号』推進協議会」(代表=北川正恭・早稲田大大学院教授)は6月7日の懇談会で、マイナンバー制度導入時の経済効果を発表した。試算を担当した須藤修主査(東京大大学院教授)は医療分野の経済効果について、「コスト削減は大いに考えられるが、経済波及という点はほとんど想定できない」との見解を示した。医療分野では二重検査の解消による医療費削減で約3500億円、医療保険証に関する事務人件費の削減で約300億円、計約3800億円のコスト削減を見込んでいる。
同協議会の試算によると、マイナンバー制度を導入すればさまざまな社会のコストを年間約1兆1500億円削減できるとしている。須藤主査は主に富士通総研の榎並利博氏の著書を参考に試算を実施。二重検査による医療費の削減幅は医療費全体の1%に相当すると仮定し、現場の医師からのヒアリングを基に試算した。今回の試算については「確実に試算可能な部分だけを積み上げたもので非常に禁欲的な数字。経済効果は今後の試算でさらに増加する」と述べた。(6/8MEDIFAXより)