【先進・高度医療】先進医療と高度医療を統合、審査一本化へ  PDF

【先進・高度医療】先進医療と高度医療を統合、審査一本化へ

 厚生労働省は、これまで薬事法上の承認の有無で分けていた先進医療制度と高度医療制度を統合し、審査体系を一本化する方向で検討を開始した。2012年度中に先進医療専門家会議と高度医療評価会議を統合し、新たに先進医療会議(仮称)を設ける方針。3月14日の高度医療評価会議(座長=猿田享男・慶応大名誉教授)で検討の方向性を示した。猿田座長は「この方向で、12年夏までには(新制度を)始められるようにしたい」との考えを示した。

●「先進医療会議」と「先進医療技術審査部会」を新設
 厚労省が示した統合案では、新たに先進医療会議と先進医療技術審査部会(仮称)を設置。統合後の先進医療の申請を二段構えで審査する。まず先進医療会議で、有効性が一定程度明らかな「技術A」と、有効性が必ずしも十分に明らかではない「技術B」に分類する。

 技術Aは、先進医療会議で「技術的妥当性」(有効性、安全性、技術的成熟度)と「社会的妥当性」(倫理性、普及性、費用対効果)を審査。技術の有効性、安全性などを適切に評価するために必要な実施期間と症例数は、対象となる疾患の状況に応じて設定する。

 技術Bに分類された場合は、新設の先進医療技術審査部会で実施期間と症例数を統計学的に検討し、技術的妥当性を審査した後、先進医療会議で社会的妥当性を中心に審査する。

 先進医療を実施する医療機関や、先進医療を実施した後の評価や報告などについても、技術Aと技術Bで異なる対応を定める。

 薬事法の承認を受けているかどうかは、技術Aと技術Bを分類する際の判断基準とはしない方向で検討している。

●必要性高い抗がん剤のルートも検討
 抗がん剤については厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で医療上の必要性の高い薬剤と判断されたものを「技術C」とする案を示した。技術Cは外部機関が評価し、その評価を踏まえ先進医療会議で審査する。医療機器については、技術Cの枠組みをひな形にできないか検討するとの案を示したが、委員からは「医薬品と医療機器は分けて考えるべき」との意見が複数上がった。(3/15MEDIFAXより)

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