【健保連】主治医機能「将来は包括評価に一本化」/健保連・白川専務理事  PDF

【健保連】主治医機能「将来は包括評価に一本化」/健保連・白川専務理事

 健保連の白川修二専務理事は、2014年度診療報酬改定について取材に応え「主治医機能の定着を優先させるため、包括評価の地域包括診療料と出来高評価の地域包括診療加算の2つの評価体系を認めた。今後の届け出状況などを踏まえ、検証を進めながら、将来的には、地域包括診療料の包括評価に一本化していくべきだ」との基本的な考えを示した。

 主治医機能の評価について白川氏は「われわれは包括評価システムで進めるべきと考えており、地域包括診療加算(20点)の出来高システムの創設には反対だったが、主治医機能を定着させることが優先されるため、今回は認めた」と振り返った。

 地域包括診療加算について白川氏は、1月29日の中医協総会で、外来管理加算や生活習慣病指導管理料と重複算定できることを問題視し、特に生活習慣病指導管理料をどう位置付けるか議論が必要と指摘していた。白川氏は「日本医師会は外来の包括化には反対という意見だが、われわれはできれば、あらゆることを包括すべきとの基本認識だ。患者にとって分かりやすい点数体系にしていくべきだ」とし、包括化への動きを加速させるべきとの考えを示した。「病院と診療所の機能分化は、フリーアクセスが若干制限されるとしても、やらないといけないものだった。14年度改定で主治医機能の評価が初めて診療報酬で手当てされたことは評価している」とも述べた。

●7対1削減、「数千床規模」なら一層対応を
 一方、14年度改定では、病床の機能分化の推進にも大きくかじを切った。7対1入院基本料の要件厳格化について白川氏は「2年後、7対1病床が数千床規模の削減にとどまるようであれば、(16年度改定では)さらに、厳しい対応をしていかざるを得ないだろう。今のままでは医療保険財政がもたない」とも語り、25年の一体改革に向け、病床の機能分化の推進は今後も継続的に取り組む課題と位置付けた。

 その上で、今後の7対1の評価に関して「今回、『重症度、医療・看護必要度』は対応したが、平均在院日数をどうするか。またわれわれとしては、アウトカム評価をさらに強化すべきではないかと考えている」とし、「データ提出加算の届け出を義務付けたことから、データ分析を進めながら、アウトカム評価指標を検討していければよい。地域医療計画を絡めてアウトカム評価を進めていってよいのではないか」と今後の対応について問題提起した。

●初・再診、底上げ議論には乗れない
 初・再診料については「われわれは日本の診療所の機能は高いと評価しているが、初・再診料は、診療所だけではなく病院も含めた全体の底上げ論議になる。医療経済実態調査からも医療機関の経営は安定し、診療報酬の半分は、医療職などの人件費に充てられ、医師給与も高い水準にある。われわれは、底上げ論議には乗れない。今回は特に財源が少なかったが、改定率の問題にかかわらず、医療機関の機能分化や連携、在宅医療の推進などの重点課題に財源を配分すべきと考えている」と述べた。その上で「次期改定で議論すべき最優先課題は、地域医療計画策定のタイミングからも、医療と介護の連携をどうするか。そして病床機能の分化・連携のさらなる促進ではないか」と強調した。

●病床機能再編は一歩前進
 一方、白川氏は14年度改定論議を振り返り「基本方針に沿って改定を進め、それに対応した医療提供体制の再構築の方向に少しは向かったのかなと、全般的には評価をしている。特に評価できる点は、7対1病床の適正化と後方病床の確保、在宅医療を意識した退院計画立案、患者データの提出など、在宅医療が享受できる体制づくりの大きな流れができた点だ。病床機能再編の第一歩になったかなと評価している」と述べた。

 ただ、医療と介護の連携が十分に進んだとはいえないと指摘。「維持期リハビリテーションの問題や、サービス付き高齢者住宅の紹介料の問題、介護施設で急病人が発生した時に急性期病院に搬送するという抜本的改革までには至っていない」とし、14年度改定で進めた医療と介護の連携をさらに充実させていくべきと強調した。(2/24MEDIFAXより)

ページの先頭へ