【健保連】フリーアクセス部分制限など提言/提供体制 改革で健保連
健保連は7月4日、「医療提供体制に関する健保連の見解」を公表した。医療提供体制改革として地域医療への入り口機能を担う「総合診療医」を養成することや、一定規模以上の病院については紹介による受診を原則とし医療へのフリーアクセスを部分的に制限することなどを提言。医療の成果・過程に関する情報提供の仕組みの必要性を指摘しているほか、一部の医療機関で用いられている「患者満足度」の公表を義務化すべきと求めている。介護療養病床については、廃止期限とされている2018年3月末までに介護老人保健施設などへ確実に転換させるべきとした。中医協で診療報酬による改革誘導策を検討することも求めた。
健保連が提言する改革事項は主に▽医療機能の分化と連携▽在宅医療の充実▽総合診療医の養成―の3項目。医療機能分化と連携については、患者の状態に見合った病床で良質かつ適切な医療が効率的に提供されるよう「それぞれの機能に応じた必要病床数をバランスよく整備する必要がある」とした。
総合診療医については「医療の機能分化、医療の質の向上という観点からも、地域医療の入り口としての総合診療医の養成は極めて重要」とし、全人的・診療科目横断的医療や家族を含めた継続的な医療を提供する役割のほか、「必要に応じた他の医療機関等への紹介・調整機能を担うなど、地域医療の要、ゲートキーパーとしての役割が期待される」とした。
●医療計画に強制力を
医療計画については、13年度から5年間の最新版でも2次医療圏の設定が不適切な地域があると問題視。機能分化推進のため導入する報告制度と地域ビジョン策定を前提に、実態として実効性が乏しい場合は基準病床数制度を見直して「機能別基準病床数」を設定するなど、医療計画を強制力ある仕組みとすることも求めている。中期的には地域医療ビジョンの実効性を検証した上で、病床機能を明確にする区分を設け、医療法への位置付けを検討すべきとした。
●診療報酬で誘導を
中医協での検討課題としては、機能分化の推進に向けた入院基本料の算定要件見直しや患者を総合的に診る医師の評価の在り方など、診療報酬による誘導策を挙げた。(7/5MEDIFAXより)