【保険者】「保険者機能」の定義明確化へ/厚労省委託事業委員会が初会合  PDF

【保険者】「保険者機能」の定義明確化へ/厚労省委託事業委員会が初会合

 「保険者機能の定義化」に向けて保険者の役割や取り組みについて実態を把握するための委員会が10月16日、東京都内で初会合を開いた。厚生労働省保険局が2012年度委託事業として設置した「保険者機能の評価に関する調査研究委員会」で、今後数回の会合を開き、年度内にも報告書を取りまとめる。厚労省は報告書の内容を踏まえた上で、これまで必ずしも明確ではなかった「保険者機能」を定義するガイドライン(GL)を作成する。

 厚労省は医療保険者の取り組みによる効果などについて事例を収集し、現状を把握することを目的に委員会を設置した。被用者保険や国保などの保険者や有識者で構成する委員による議論を通して、保険者の役割を整理し、年度末をめどに委員会としての分析・提言などを盛り込んだ報告書をまとめる。実態把握に向けて、保険者を対象としたアンケート調査も実施する。

 座長には政策研究大学院大の島崎謙治教授が就任した。会合は非公開。初会合では今後の議論の進め方などを確認した。

 保険者機能は、レセプト点検やジェネリック使用促進といった医療費適正化に向けた役割ばかりではない。保険者による保険料徴収や保険給付、被保険者の要件・資格の管理、保健事業なども保険者機能に数えられるが、これまでこうした全般にわたる保険者機能の概念について明確な定義はなかった。

 都道府県が第2期医療費適正化計画を作成するための基本方針(9月28日官報告示)では、▽医療費適正化の推進▽加入者の健康づくりの推進▽医療提供体制についての議論への参画―などの保険者機能が円滑に発揮されるよう、都道府県に対してGLを示すための検討を行うとしていた。厚労省は調査研究委員会の報告書を踏まえ、13年度、GL作成に向けた検討を開始する。

 GLで保険者の役割を明確化することで、これまで保険者によってばらつきが見られた取り組みに、一定の水準が要求されることになる可能性もある。(10/17MEDIFAXより)

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