【保団連】「TPPの危険な正体」/保団連が見解を掲載
保団連は4月3日、安倍晋三首相が参加を表明した環太平洋連携協定(TPP)交渉を問題視する見解をまとめ、「TPPの危険な正体 国民皆保険が危機に」と題してホームページに掲載した。保団連は、交渉参加により医療が規制緩和されれば国民皆保険が形骸化する危険性などの問題点を挙げた。
見解では、TPPの本質的な目的は参加国の国内制度などを米企業にとって有利に変更することとの考えを示している。TPP交渉の焦点は「薬価決定のプロセスに製薬会社を参加させること」とし、日本の薬価が皆保険制度のない米国並みに高騰すると指摘。また、医薬品の特許保護が強化されれば、先進医療は医療費抑制のため公的医療保険外に留め置かれ、先進医療特約を販売する民間保険会社にとっては有利になるとした。さらに、企業の主張が条項に反映されれば、日本政府が先進医療の保険適用を決めた場合でも、企業利益保護のための提訴が可能となり、適用を取りやめさせることができると言及している。
その他の問題点としては▽すでに合意された条文については新たな参加国に再協議の余地がなく、遅れて交渉に参加した場合、先行参加国の交渉で合意された条文は無条件に受け入れなければならない▽協定発効後4年間は交渉内容や提案文書が非公開▽非関税障壁の撤廃による影響を政府が勘案していない―などを挙げている(4/8MEDIFAXより)