【伸び率制御】伸び率抑制「現時点では考えていない」/衆院予算委で安倍首相
安倍晋三首相は4月16日の衆院予算委員会で、社会保障費の自然増を抑制するかどうか問われ「現時点では伸び率抑制は考えていないが、骨太方針の策定に向けて議論したい」との考えを示した。前原誠司氏(民主)への答弁。
安倍首相は「われわれとしては(社会保障費の自然増に)キャップをかけて抑制するという手段は、現在のところ考えていない。年央までに定める骨太方針の中で社会保障費をどう抑制していくかを議論している。サービスの質を維持しながら、いかに効率化を図るのかが課題だ。キャップをかけることの是非も含めて議論したい」と述べた。
また、安倍首相は、70−74歳高齢者の医療費自己負担を1割のまま据え置いている問題にも言及。前原氏が「自己負担を本則の2割に戻すだけで2000億円の増収が見込める」とただすと、安倍首相は「原則ではそうだから、その(自己負担2割に引き上げの)方向に向けて実施していきたい」と応じた。
安倍首相は終末期医療の在り方についても触れ、「尊厳とともに死を迎えたいと多くの人が考えていると思う。終末期医療の問題は財政状況というよりも、どう最期を迎えるべきかという観点から議論すべきではないかと思っている」と述べた。
介護保険制度に関しては、給付範囲と負担の在り方を議論する必要があるとの認識を示した。安倍首相は「2013年から270万人の団塊世代が65歳になり介護保険の対象になる。制度が持つかどうかというのがある」と問題意識を表明。その上で「(介護保険制度導入)当初、厚生省はそれほど利用しないだろうと思っていたが、サービスとして存在すれば、(被保険者は)せっかく保険料を払っているのだから使おうということになる。そういう整理もしっかりと議論していく必要がある」と述べた。( 4/17MEDIFAXより)