【介護報酬】消費税8%対応の介護報酬改定案を了承/介護給付費分科会  PDF

【介護報酬】消費税8%対応の介護報酬改定案を了承/介護給付費分科会

 厚生労働省の社会保障審議会・介護給付費分科会(分科会長=田中滋・慶応大大学院教授)は1月15日、田村憲久厚生労働相が諮問した消費税8%引き上げ時の介護報酬改定案を了承した。4月の消費増税に伴い、介護サービス施設・事業所に負担が生じないように0.63%増の介護報酬改定を行う。給付費ベースでは530億円になる。介護報酬改定案は田中分科会長が社会保障審議会の西村周三会長に報告した後、西村会長が田村厚労相に答申した。告示改正などを経て、4月1日から施行する。

 基本単位数への上乗せを基本に、消費税負担が相当程度見込まれる加算についても上乗せを行う。2013年度介護事業経営概況調査の結果などから、施設・事業所の課税割合(介護サービス全体で22.1%)を把握し、消費税引き上げ時の影響分を算出した。

 基本単位数への上乗せ率は、各サービスの課税割合に税率引き上げ分を乗じて算出した。加算については、課税割合が50%以上を基準に設定し、▽介護老人保健施設と短期入所療養介護の緊急時施設療養費▽介護老人保健施設の所定疾患施設療養費▽介護療養型医療施設と短期入所療養介護の特定診療費の重度療養管理―を対象に上乗せ対応を行う。

 具体的に影響額を見ると、要介護2で1日7時間以上9時間未満の通所介護(入浴介助を含む)を月10回利用した場合、現行では通常規模型通所介護が1回811単位、入浴介助加算が50単位で、1カ月当たりの費用は8万6100円(利用者負担8610円)になるところ、今回の改定で基本単位数は811単位から817単位になり、入浴介助加算は変更がないため、改定後は600円増の8万6700円(利用者負担は60円増の8670円)になる。

●区分支給限度額も引き上げ
 厚労省は在宅サービスで要介護度別に設定している区分支給限度基準額の引き上げ額も示した。消費増税に伴う介護報酬改定により、改定前と同じサービスを利用しても基準額を上回る利用者が生じることもあるため、その対応策として基準額を引き上げる。居宅介護サービス費等区分支給限度基準額では、要支援1は4970単位から5003単位へ、要介護1は1万6580単位から1万6692単位へ、要介護5は3万5830単位から3万6065単位へ、それぞれ引き上げる。

●伝送・電子媒体による請求を原則義務化
 会合では、国民健康保険団体連合会に介護給付費などを請求する方法について、一定期間を置いて伝送や電子媒体による請求を原則義務化するため、省令改正することも報告した。伝送については、インターネットによる請求も可能とする。対応が困難な事業所には例外措置も設ける。(1/16MEDIFAXより)

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