【介護保険部会】認知症施策についても議論/社保審・介護保険部会  PDF

【介護保険部会】認知症施策についても議論/社保審・介護保険部会

 6月6日の社会保障審議会・介護保険部会(部会長=山崎泰彦・神奈川県立保健福祉大名誉教授)では、政府の社会保障制度改革国民会議がまとめた整理案に盛り込まれていない認知症施策についても意見が出た。

 厚生労働省は部会に、厚生労働科学研究(代表研究者=朝田隆・筑波大教授)で推計された認知症の有病者数のデータを示した。同研究によると、全国の65歳以上高齢者について、2010年時点で認知症有病者数は約439万人、「正常と認知症の中間」とされるMCI有病者数は約380万人と推計した。

 勝田登志子委員(認知症の人と家族の会副代表理事)は認知症施策推進5カ年計画(オレンジプラン)について、推計を視野に入れて見直すべきと指摘。これに対し勝又浜子認知症・虐待防止対策推進室長は、推計に含まれる早期の認知症高齢者も存在することを前提にオレンジプランを立てているとし、今後も認知症に関する啓発を行っていくと説明した。

 また、齊藤正身委員(医療法人真正会理事長)はオレンジプランについて「国民会議ではほとんど触れられていないが、もっと具体的なアクションプランになるように、もっと明確に位置付けていくべき」と述べた。

●若年性認知症は介護保険外で
 厚労省は、若年性認知症者数のデータについても提示した。全国の若年性認知症者数は3万7800人と推計し、人口10万人当たりの有病率は「35−39歳」で8.9人、「40−44歳」で14.8人とした。木村隆次委員(日本介護支援専門員協会長)は若年性認知症は制度のはざまにあるとし「介護保険制度だけでは無理だと思う。いろんな政策を考えなければいけない」と指摘。高杉敬久委員(日本医師会常任理事)も若年性認知症は今の認知症の施策とは違うと指摘し「介護保険の中ではなく、もっと違う形でやらないと救えない」と述べた。

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