【介護保険部会】地域包括センターや地域ケア会議、課題を指摘/介護保険部会
5月15日に開かれた厚生労働省の社会保障審議会・介護保険部会では、地域包括ケアシステムの構築に向けて、保険者機能の観点から地域包括支援センターや地域ケア会議の在り方についても議論した。両者ともに運営上の問題点が指摘された。
地域包括支援センターは2012年4月現在で全ての保険者に設置されており、全国4328カ所に上る。ただ、設置主体を見ると、保険者が直営しているセンターが約3割、委託が7割となっており、委託が増加傾向にある。この実態に対し「委託方式で市町村が現場を理解できるのか」「保険者直営でなければ、現場に伝わらない」と設置主体の在り方に疑問を呈す意見が出た。
多職種による個別課題の検討から地域の課題を導き出す「地域ケア会議」は、12年6月現在で1202保険者で実施されている。国は地域ケア会議を法制度上に位置付けることも検討しているが、委員からは▽利用者不在の現状がある▽保険者と介護従事者の間に上下関係ができないよう運営に工夫が必要▽地域ケア会議を十分に把握していない保険者もいる―といった意見が出た。
社会保障制度改革国民会議の議論も踏まえつつ、秋以降も議論する。(5/17MEDIFAXより)