【介護保険】岡山市、介護保険に「成功報酬」を/政府が総合特区に指定  PDF

【介護保険】岡山市、介護保険に「成功報酬」を/政府が総合特区に指定

 政府は2月15日、総合特別区域(総合特区)の第3次指定対象区域として、5地域を地域活性化総合特区に指定した。医療・介護分野では、介護保険に成功報酬制度を導入する事業を提案している岡山市の「岡山型持続可能な社会経済モデル構築総合特区」が指定された。第3次指定では、国際戦略総合特区が1件、地域活性化総合特区については10件の申請が出されていた。総合特区指定書の授与式を2月下旬から3月上旬に予定している。

●要介護度の改善で報酬に上乗せ
 岡山市は、介護給付費の抑制や地域包括ケア実現のため、在宅介護に特化した地域構築を目指す。市によると、介護分野に特化した特区は全国初という。介護給付費の抑制策の一つとして提案しているのが、要介護度が改善した際の成功報酬制度を介護報酬に組み入れることだ。通所介護と通所リハビリテーションで導入したい考え。市のイメージとしては、要介護度が改善した場合、既存の介護報酬に成功報酬を上乗せする。ただ、全体的な財政バランスを考慮する必要があるため、要介護度が悪化した場合は介護報酬を引き下げることも協議したいという。

 また、住民に介護予防に取り組んでもらうため、特定健診や介護予防教室の参加者について、国保の特別調整交付金や介護保険の地域支援事業を活用して、保険料を軽減することも提案している。

 このほか▽食事支援ロボットのマイスプーンなど最先端介護機器の介護保険対象化事業▽訪問看護、訪問介護、訪問リハビリテーションのサービスを一体的に提供できる多機能型訪問サービスの創設−など合わせて11事業を要望している。

●介護保険制度の見直し材料に
 岡山市新病院・保健福祉政策推進課の福井貴弘課長は電話取材に対し「成功報酬制度という介護保険制度の根幹の改善を目指すようなことが評価されたのだろうと思う」と述べた。ただ、単に介護度が改善した部分に報酬を上乗せすることは誰でもできると指摘し、財政バランスや評価システムを詳細に考える必要性があるとした。その上で「仕組みをつくることができたら、介護保険制度を見直す一つの材料になると思う」とし、国にも同じ方向性で動いてくれるよう求めたいとした。(2/18MEDIFAXより)

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