【介護保険】厚労予算事業で「ケアプラン新様式」提案/厚労省は導入否定
厚生労働省の老人保健健康増進等事業予算で調査研究を受託している日本総合研究所(日本総研)が、ケアプランに新様式を導入すべきとの報告書をまとめた。ただ、調査を委託している厚労省は現時点で、新様式の導入に否定的な見解を示している。
日本総研の報告書要旨は、厚労省が5月9日に開いた「介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上と今後のあり方に関する検討会」(座長=田中滋・慶応義塾大大学院教授)で公表された。ケアマネジメントの過程を多職種が共有し、ケアマネジメント業務を円滑化させるための新様式を盛り込んでいる。報告書の全容は日本総研ホームページ上(http://www.jri.co.jp/page.jsp?id=21140)で公開されている。
ただ、5月9日の会合では、木村隆次構成員(日本介護支援専門員協会長)が「これはあくまで調査研究での提言ということか」と厚労省の考えを確認すると、厚労省老健局振興課の川又竹男課長は「その通り」と述べ、現時点でケアプランに新様式を導入する予定はないとした。
●ケアマネジメントの質向上で5人が提言
会合では、5人の構成員がケアマネジメントの質の向上策や、ケアマネの水準を高めるための課題などを提言した。介護保険の保険者がケアマネ育成やケアプランをチェックする機能を備えるべきとの考えが示されたほか、▽全国規模で要介護高齢者の経年変化を細かく見る仕組み▽ケアマネ1人の事業所をサポートする仕組み▽「ケアマネジメント技術指導センター」のような教育機関を全国に一定数整備する必要性―などが指摘された。(5/10MEDIFAXより)