【介護保険】介護利用者負担の見直しなどで1400億円抑制/厚労省が試算  PDF

【介護保険】介護利用者負担の見直しなどで1400億円抑制/厚労省が試算

 厚生労働省は11月14日の社会保障審議会・介護保険部会で、利用者負担と補足給付の見直しを再度議題に取り上げ、一定以上所得者の基準などについて議論を求めた。併せて厚労省は利用者負担と補足給付が見直された場合、1410億−1450億円給付費が抑制されるとの推計を示した。

●2割負担で710億−750億円抑制
 一定以上の所得がある人の利用者負担を1割から2割へと引き上げることについて、厚労省は一定以上所得の基準として▽案1=被保険者全体の上位約20%に当たる年金収入280万円以上▽案2=課税層の上位約50%に当たる年金収入290万円以上―の2案を提示している。また、高額介護サービス費の限度額についても一定以上の所得があり、医療保険の現役並み所得に相当する人については限度額を3万7200円から4万4400円に引き上げる案を示している。案1と高額介護サービス費が見直された場合は750億円の抑制効果が、案2と高額介護サービス費では710億円になるとした。

 一定以上所得者の基準案に対し委員からは、案1を支持する意見、案1・2以外の選択肢を求める意見、医療保険の現役並み所得にするべきとの意見など、割れる結果となった。2割へと負担が増すことによって、利用者のサービス控えが発生することへの懸念も指摘された。

●補足給付見直しで700億円抑制
 特別養護老人ホームなどに入所する低所得者の食費や居住費を給付する補足給付制度の見直しについては、本人が属する世帯の課税状況や本人の年金収入・所得のみを勘案している現行の仕組みに加え、預貯金や不動産も勘案すべきとの案を示している。推計では、単身で1000万円程度の預貯金がある利用者などを補足給付の対象外にした場合、年度ベースで700億円給付費が抑制されるとした。(11/15MEDIFAXより)

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