【介護保険】「8%」対応、基本単位数と加算に上乗せ/介護給付費分科会・調査委  PDF

【介護保険】「8%」対応、基本単位数と加算に上乗せ/介 護給付費分科会・調査委

 厚生労働省は8月19日の社会保障審議会・介護給付費分科会の介護事業経営調査委員会(委員長=田中滋・慶応大大学院教授)に、「介護サービス施設・事業所の設備投資に関する調査」の結果を報告し、消費税率8%引き上げ時の介護保険サービスの対応について検討した。委員会では、消費税率8%引き上げに伴い、仕入れなどにかかる消費税負担が増大することから、影響分を介護報酬に上乗せして補填するべきとの意見で一致した。検討結果は後日、給付費分科会に報告する。同委員会では年内をめどに、8%引き上げ時の対応を取りまとめる。

 厚労省は介護報酬で補填する場合の対応策として▽基本単位数や消費税負担が相当程度見込まれる加算単位数に消費税対応分を上乗せする▽1単位単価に消費税対応分を上乗せする―といった考え方があると提示。実態に合った対応ができる方法として、基本単位数に加え、消費税負担が相当程度見込まれる加算に対しても上乗せするのが妥当との意見でまとまった。

 同委員会の議論は、消費税率8%引き上げが2014年4月に行われる場合、対応する介護報酬改定も同時に実施されることが前提となっている。

●「高額投資対応」は必要なし
 議論では、高額投資件数が少ないとの調査結果を受け、消費税率8%引き上げ時に介護報酬とは別建ての高額投資用の制度をつくる必要はないとの意見でもまとまった。

 設備投資に関する調査は、原則12年3月までの5年間について、4423施設・事業所に対し実施し、873施設・事業所から回答を得た。回答率は19.7%だった。資産1件当たりの投資実績を見ると、どのサービス類型でも1件当たり500万円未満の資産に対する投資が全体の8割以上を占める結果が出た。

 また、1件当たり1億円以上の資産に対する投資状況を見ると、介護老人福祉施設で16件(介護老人福祉施設の総投資件数の0.4%)、介護老人保健施設で8件(介護老人保健施設の総投資件数の0.4%)など、どのサービス類型をみても0−2%台だった。1件1億円以上の資産は、ほぼ全てが建物だった。

 このほか消費税率8%引き上げに向けて▽基準費用額や特定入所者介護サービス費▽区分支給限度基準額─についても議論する必要があるとした。(7/22MEDIFAXより)

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