【予防接種】子宮頸がんワクチン、勧奨差し控えへ/副反応検討部会が決定
厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会の副反応検討部会(座長=桃井眞里子・国際医療福祉大副学長)は6月14日、子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の副反応について議論し、定期接種の積極的な勧奨を一時差し控えるとの結論を出した。極めて少数の慢性疼痛が長引く症例があることを理由とし、頻度や医学的評価を明らかにした上で再度、検討する。
同日は厚生労働省が、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会が提出したカルテや、海外の疼痛関連症例など新たなデータを提示。前回同様、部会の総意として、明確な因果関係はなく、接種とは関連ない事例が散見されるとした。しかし桃井座長ほか一部の委員が慢性疼痛の症例を問題視。最終的に、利益相反で議決権のない委員を除く5人による多数決の結果、勧奨差し控え3票、継続2票となった。
委員からは、2005年〜10年に日本脳炎の予防接種勧奨を差し控えた際、国民の接種が減少したことから、中止ではないことをしっかり伝えるべきとの意見が上がった。桃井座長は「安全性に問題があって接種しない方がよいとの結論ではない。より安心して接種してもらうための措置」としている。
部会の決定により厚労省は、対象期間の通知や、学校現場での推奨リーフレットの配布は一時中断するとしたが、接種を実施していることは引き続き伝えていくとしている。次回の議論に向け、サーバリックスとガーダシルの2剤について副反応比較を行うためのデータを集めることになる。(6/17MEDIFAXより)