【予算案】15年度改正へ、認知症施策・生活支援を拡充/老健局14年度予算案
2014年度厚生労働省予算案で老人保健福祉関係予算は13年度当初予算から1343億円増の2兆7184億円となった。うち2号保険料国庫負担金などを除いた老健局計上分は、社会保障費自然増などによる1237億円増の2兆2212億円。15年度の介護保険制度改革に向けて、14年度から認知症施策や生活支援サービスの基盤強化を拡充する。
14年度消費税増収分による「社会保障の充実」として、認知症に関する地域支援事業の充実に17億円(公費ベースで33億円)と生活支援サービスの基盤整備に5億円(同10億円)を充てる。認知症施策では、多職種が認知症の人やその家族の初期支援を行う「認知症初期集中支援チーム」を新たに100カ所に設置する。また、認知症の人や家族の相談業務を行うため、現在275カ所に配置されている「認知症地域支援推進員」は470カ所に拡大する。生活支援の基盤整備では、地域資源の開発やネットワーク化を行う「生活支援サービスコーディネーター」を新たに設置する。14年度は全保険者の20%に当たる約320保険者に配置することを想定する。
このほか認知症施策には15億円を計上し、認知症疾患医療センターや身近型認知症疾患医療センターを175カ所から300カ所に拡充する。新規施策として▽介護・医療関連情報の「見える化」の推進事業に4億円▽低所得高齢者の住まい・生活支援事業に1.2億円▽訪問看護の供給体制の拡充事業に5200万円▽高齢者リハビリテーションの機能強化モデル事業に4700万円―を盛り込んだ。15年度介護保険制度改正に伴うシステム改修費には40億円を計上した。
厚労省老健局の原勝則局長は「(社会保障の充実の)認知症施策と生活支援サービスの基盤整備については、介護保険法改正を円滑に進めるためにも、14年度から実施する予算を確保した」と説明。生活支援サービスコーディネーターの配置については、市町村から生活支援サービスの基盤整備ができていないとの声があったとし「15年度を待たずに14年度からスタートしたいとの思いがあった」と述べた。(12/25MEDIFAXより)