【予算案】iPS細胞、再生医療応用を支援/13年度予算・基本方針骨子案
政府は2013年度予算編成の基本方針の骨子案を固めた。7月に発表した日本再生戦略に沿ってライフ(健康)、グリーン、農林漁業の各分野に対する予算配分の重点化を図る一方、優先度の低い一般の予算要求は可能な限り削減し、国債費などを除いた歳出の大枠を71兆円に抑えたい方針だ。ライフ分野では、iPS細胞の再生医療への応用支援や個別化医療の実現化などを推進する。11月30日にも予算編成に関する閣僚委員会が骨子を決定する見通し。ただ、12月16日に衆院選を控えており、選挙後の政権の枠組みによって予算編成の方向性が変わる可能性もある。
ライフ分野では、6月にまとめた医療イノベーション5カ年戦略の実現を図るとともに、日本再生戦略で20年までの目標として掲げた同分野での50兆円の需要創造、284万人の新規雇用の実現化を目指す。そのため革新的医薬品・医療機器の創出や再生医療・個別化医療の実現に向けた施策を進め、最新の医療環境の整備、医療関連市場の活性化、日本の医療の世界発信を図る。アカデミアなどの優れた研究成果を医薬品の実用化につなげるため、創薬支援ネットワークの構築も進める。
iPS細胞などの再生医療への応用については、基礎研究から実用化までを支援し、世界に先駆けた再生医療の本格的実用化を進める。iPS細胞の創薬研究ツールとしての活用に向けた支援も進め、新薬開発の効率性向上を図る。
全般としては無駄の排除を徹底する姿勢で、行政刷新会議による「新仕分け」や行政事業レビューの結果などを予算編成に反映させる構えだ。政府は13−15年度の中期財政フレームで各年度の歳出の大枠を71兆円とする方針を示しているが、9月に公表された各府省の概算要求総額は73兆3553億円だった。(12/3MEDIFAXより)