【予算案】厚労省予算が30兆円突破/14年度政府案
政府が12月24日に閣議決定した2014年度予算案で、厚生労働省予算は一般会計で初めて30兆円の大台を突破し30兆7430億円となった。13年度予算比は1兆3115億円増。うち社会保障関係費も初の30兆円台となる30兆2251億円で、13年度比は1兆2854億円増。東日本大震災復興特別会計には484億円(同37億円増)を計上した。
社会保障関係費の内訳は、「医療」11兆1990億円(13年度予算比6403億円増)、「年金」10兆7166億円(同2887億円増)、「福祉等」5兆5016億円(2386億円増)、「介護」2兆6257億円(1340億円増)、「雇用」1822億円(162億円減)となっている。
●医療自然増は概算要求からマイナス337億円
社会保障関係費の自然増部分は8月の概算要求時に比べ、約831億円減の8901億円となった。内訳は、「医療」が337億円減の3198億円、「年金」160億円減の2887億円、「福祉」68億円減の1616億円、「介護」130億円減の1340億円、「雇用」は136億円減のマイナス140億円。保険局によると、主な要因は生活保護の医療扶助費用など医療保険制度とは別に掛かる費用を除いた医療費国庫負担3経費の見直しだという。直近の実績を踏まえた見直しの内訳は、協会けんぽ分が81億円増、国保分が280億円減、後期高齢者医療制度分が150億円減。
医療費国庫負担3経費の総額は9兆1667億円。内訳は、協会けんぽ1兆2526億円、国保3兆2852億円、後期高齢者医療制度4兆6289億円。地方の負担分1兆6705億円を含めると10兆8373億円となる。
●優先課題推進枠は約420億円
前年度予算から裁量的経費を10%以上削減した上で要望できた重点枠「新しい日本のための優先課題推進枠」に計上した施策の予算は約420億円となった。8月時点では約1617億円要求していたが、13年度補正予算に約725億円前倒しで計上し、財務省の査定で約470億円削減された。
推進枠に計上していた医療関係の施策では、「救急医療や専門医による診療へのアクセス強化等」として要求した157億円が100億円弱減額の約60億円となったほか、「レセプト・健診情報等を活用したデータヘルス(医療保険者によるデータ分析に基づく保健事業)の推進」が約62億円減の35億円、要介護認定データや介護保険レセプトデータ、介護・医療関連情報を結合して介護保険総合データベースとして活用する「介護・医療関連情報の『見える化』の推進」が約3.2億円減の4億円などとなった。(12/25MEDIFAXより)