【予算】70−74歳「2割負担」で意見集約/医療保険部会、予算課題を整理
社会保障審議会・医療保険部会(部会長=遠藤久夫・学習院大教授)は1月9日、70−74歳の患者負担について「早急に法律上の2割負担に戻すべきとの意見が多かった」とし、1割負担で凍結してきた負担割合を2割負担とするなど、医療保険上の予算課題について部会での議論を取りまとめた。
法定の2割負担に戻す方法や時期については、2013年度から70−74歳の負担割合を一律2割とする意見と、70歳以上となる人から段階的に2割とする意見を併記した。必要な財源は12年度補正予算で手当てする。政府は1月11日にも緊急経済対策をまとめる方向で、患者負担の問題についてもそれまでに決着する見通しだ。
●協会けんぽ財政措置「延長やむなし」
13年度予算の課題では、12年度で期限が切れる協会けんぽの財政基盤を強化・安定化するための特例措置について議論した。部会では「国庫補助率16.4%」「後期高齢者支援金の3分の1を総報酬割」とする現行の措置を14年度まで延長することはやむを得ないとする意見をまとめた。
●高額療養費、小規模改善は見送りも
高額療養費制度については、負担上限の導入を検討してきたが、必要となる保険料財源と比べてシステム改修費が高く、費用対効果が薄いなどの理由から、部会としては13年度での導入に慎重な姿勢を示した。
部会では社会保障・税一体改革大綱を受けて12年7月から予算関連課題について議論を進めてきた。例年は年末の予算編成に合わせて議論を整理するが、衆院解散・総選挙により日程に遅れが生じていた。政府は与党や部会での議論を踏まえて、12年度補正予算・13年度予算を編成する。
13年度予算案が閣議決定されるのは1月半ばとなる見通し。協会けんぽの財政対策などの法改正が必要となる案件については、2月中旬以降に国会に法案を提出することになりそうだ。(1/10MEDIFAXより)