【主張】消費税ゼロ税率の適用を/損税解消は税法の是正で  PDF

【主張】消費税ゼロ税率の適用を

損税解消は税法の是正で

 京都府保険医協会は、消費税ゼロ税率を強く訴えてきた。この間、「社会保障・税一体改革」にあるように、消費税を段階的に8%、10%へ上げることが決定された。財務省は前回と同様に、増税分としていくらかを診療報酬へと乗せるようだ。このような手法は、保険医に対しても、患者に対しても詐欺行為である。89年の消費税導入、97年の税率アップに伴う補填分(1・53%)が上乗せされた特定36項目は、現在包括化され、点数自体がなくなったものが13項目、上がっているものが11項目、下がっているものが8項目、変わっていないものが2項目、介護保険に移動したものが2項目である。つまり、消費税分として補填された分は、実質消えてしまっているのである。このことからも、消費税損税は安易な診療報酬への上乗せではなく、税法体系の是正によって正されるべきである。

 輸出企業は輸出免税取引における輸出戻し税の還付を受けている。約8700億円の還付金を貰っているのに対して、医療業界では約7000億円もの消費税損税が生じている。

 社会保険医療はその社会政策的配慮から非課税取引に分類されてきたが、今後消費税が8%、あるいは10%になっても医療機関が損税を負担しなければならないのだろうか。

 消費税ゼロ税率は、社会政策的配慮の面からも、患者さんの負担もなく消費税損税もなくなる唯一の方法だ。また、この問題を棚上げしておくと、今後医療機関の損税による倒産を引き起こしかねず、医療崩壊もますます進行するだろう。

 厳しい経済状況のもとで消費税の増税を打ち出すこと自体、景気悪化に拍車をかけ、社会保障の原則を根こそぎ破壊して貧困と格差を拡大させる。医療機関にとっても、いっそうの受診抑制が危惧される。

 協会はこれからも会員のご理解を得ながらゼロ税率適用を求めていきたい。

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