【中医協】14年度改定を諮問、パブコメの募集開始/中医協総会  PDF

【中医協】14年度改定を諮問、パブコメの募集開始/中医協総会

 中医協総会は1月15日、田村憲久厚生労働相の2014年度診療報酬改定に関する諮問を受け、2月中旬の答申に向け議論を進めた。14年度改定の基本方針とこれまでの議論を整理した「現時点の骨子」について、パブリックコメントの募集を開始することを了承。総会で委員から指摘された部分を修正した上で速やかに募集を開始する。

●骨子案、キーワードは「機能分化の強化」
 厚生労働省が提示した現時点の骨子案は、改定の基本方針に則して整理した。重点課題の「医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実等」では、入院、外来、在宅、医療機関相互の連携、医療・介護の連携評価を取り上げた。また、4つの視点「充実が求められる分野を適切に評価していく視点」「患者等から見て分かりやすく納得でき、安心・安全で質の高い医療を実現する視点」「医療従事者の負担を軽減する視点」「効率化余地がある分野を適正化する視点」に沿って、これまでの議論を整理。「消費増税8%への引き上げに伴う対応」も盛り込んだ。

●7対1・10対1の特定除外見直し明記
 入院医療については、高度急性期と一般急性期を担う病床の機能を明確化しそれらの機能に合わせた評価を進めるとした。具体的には、7対1・10対1一般病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料、専門病院入院基本料を算定する病棟でも、特定除外制度の見直しを行う。このほか7対1病床の機能分化に関する対策として▽「重症度・看護必要度」の評価項目の見直し▽短期滞在手術基本料の対象手術を拡大し、一部の検査も対象に、平均在院日数の計算方法を見直す▽7対1入院基本料算定病棟に在宅復帰率の基準と、DPCデータ提出の基準を新設する─を挙げた。高度急性期の評価については、総合入院体制加算を算定し総合的かつ専門的な急性期医療を担い、一定の実績等を有する医療機関について、より充実した評価を行う。

 急性期病床と長期療養を担う病床(療養病床)の機能分化については、透析患者や超重症児(者)等の受け入れを促進するため、療養病棟に対する評価を新設する。超重症児(者)・準超重症児(者)入院診療加算について、療養病棟等での算定対象患者の拡大と、一般病棟の算定日数の見直しを行う。

●亜急性期は評価体系全般の見直し
 「亜急性期入院医療管理料」は、急性期後・回復期を担う病床を充実させるため▽一定の重症度・看護必要度基準を満たす患者の診療実績▽在宅療養支援病院、2次救急病院または救急告示病院等であること▽在宅復帰率の実績▽診療内容に関するデータの提出─などの施設基準を設定した上で、評価体系全般の見直しを行うとした。これまでの中医協の議論では、7対1の要件厳格化に伴う受け皿として「亜急性期病棟」を創設する方向となっている。

 「回復期リハビリテーション病棟」に関しては、入院料1を算定する病棟について▽専従医師および専従社会福祉士を配置した場合の評価の新設▽休日リハビリテーション提供体制加算を入院料に包括して評価する─などを挙げた。

 「有床診療所」については、地域包括ケアの中で複数の機能を担う有床診については、入院基本料の評価の見直しを検討するほか、12年度改定で入院基本料に包括された栄養管理実施加算については包括化を見直し、栄養管理に関する評価を再度設けるとした。

●不適切な患者紹介を禁止
 「外来医療の機能分化・連携の推進」では、中小病院と診療所の主治医機能を評価するとしたほか、特定機能病院や地域医療支援病院以外の500床以上の病院についても、紹介率・逆紹介率を高める取り組みを進める。紹介率・逆紹介率の低い大病院については長期投薬の適正化を検討する。

 「在宅医療」では、機能強化型在宅療養支援診療所または在宅療養支援病院に関する施設基準について、実績要件の見直しを行う。複数の医療機関が連携している場合について、各医療機関それぞれの実績に関する基準を新設する。また、保険医療機関等が経済的誘引により不適切に患者紹介を受けることを禁止するとした。

 「DPCに基づく急性期医療の適切な評価」については、14年度を含め3回の診療報酬改定で段階的に調整係数を基礎係数と機能評価係数?に置き換えることになっており、14年度改定でも調整部分の50%を機能評価係数?に置き換える。機能評価係数?と?についても必要な見直しを行う。

 このほか大規模薬局の調剤報酬の適正化なども挙げた。

 「消費税への対応」については、補填について基本診療料・調剤基本料への上乗せによる対応を中心としつつ「個別項目」を組み合わせる形で対応することを基本にするという内容にとどまっている。(1/16MEDIFAXより)

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