【中医協】7対1の特定除外見直し検証、付帯事項へ/中医協総会
中医協総会が1月15日開かれ、厚生労働省が提示した「現時点の骨子案」について議論した。パブリックコメントの募集に当たって、一部を削除・修正することになったほか、7対1・10対1入院基本料の特定除外制度の見直しについては、改定後に検証することを2014年度診療報酬改定の付帯決議に盛り込む方向となった。
診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)は「骨子案では、13対1、15対1一般病棟入院基本料以外の一般病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料、専門病院入院基本料を算定する病棟においても特定除外制度の見直しを行うと記載されている。これでは7対1、10対1が、13対1、15対1と全く同じように見直されると読める。中医協の議論でわれわれは、特に7対1では、がん診療、脳疾患で明らかに異なると主張してきた」とし、厚生労働省の認識を質問した。保険局医療課の宇都宮啓課長は「基本的に7対1、10対1でも、13対1、15対1と同様に、出来高で算定し平均在院日数に含めるか、もしくは療養病棟入院基本料の算定にするか選択肢を示した。現場で激変が起きないよう、何らかの激変緩和措置は必要と考えている」と回答した。
中川委員は「16年度改定の議論の際に今回(14年度)の改定内容が検証できるようにしてもらいたい」と要求。宇都宮課長は「検証が必要なものについては、付帯事項の中で記述している。この事項(特定除外の見直し)について検証が必要ということであれば付帯事項にすることはできる」と応じた。中川委員は「検証という言葉に収斂させないで、今後も迅速な検討をお願いしたい」とした。激変緩和策などは、今後の個別改定項目の議論で詰める。
支払い側の白川修二委員(健保連専務理事)は「項目建てや見直し内容については、よいのではないか。詳細は短冊(個別改定項目の概要)で議論を進めたい」と述べ、おおむね了承できるとの考えを示した。
●大規模病院の分割調剤試行に「待った」
一方、長期投与された患者の残薬の状況を把握し保険薬局で適切な薬学的管理・指導を行う必要があるとの考えから、骨子案には当初、特定機能病院および500床以上の地域医療支援病院で長期処方された場合の分割調剤の試行導入が盛り込まれていたが、議論の結果、削除されることになった。
診療側の安達秀樹委員(日医・社会保険診療報酬検討委員会委員長)と鈴木邦彦委員(日医常任理事)は、中医協で議論が固まっていない内容を盛り込むことに反対を表明。安達委員は「30日処方で残薬が多ければ、分割調剤の前に受診勧奨すべきだ」とし、厚労省の提案は容認できないとした。診療側の意見を踏まえ白川委員は「パブコメから削除すべき」とし、中医協として最終的に骨子から削除することになった。
一方で前回の中医協で議論があった「うがい薬」については、骨子案に「治療目的でない場合のうがい薬だけの処方の評価を見直す」と記載されたが、異論は出なかった。
万代恭嗣委員(日本病院会常任理事)は救急医療管理加算について「算定基準が不明確」と記載されたことに対し、誤解を与えかねないとして文言修正を求めた。
このほか、堀憲郎委員(日本歯科医師会常務理事)から歯科領域について削除や字句修正の指摘があった。(1/16MEDIFAXより)