【中医協】費用対効果、対象は「薬」と「材料」か/部会が中間整理案了承
中医協・費用対効果評価専門部会(部会長=関原健夫・日本対がん協会常務理事)は11月6日、議論の「中間整理案」を了承し、中医協総会に報告した。今後は質調整生存年(QALY)や生存年(LY)などを組み合わせた効果指標や評価の活用手法について具体例を用い検討する。透明性・公平性のある評価体制の在り方も論点になる。年内に中医協総会に検討結果を報告するが、同部会としての取りまとめに至るかどうかは不透明だ。費用対効果の対象は、医薬品と医療材料が原則になる可能性が出てきた。
厚生労働省は前回会合で示した議論の「中間整理案」を一部変更して再提示した。中間整理では「医薬品」「医療材料」「医療者等の技術(手術など)」の3つを総称して「医療技術」と呼ぶことにしているが、この部分について鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は「医薬品と医療材料中心の検討になるだろう」と指摘。白川修二委員(健保連専務理事)は「医薬品と医療材料が中心でよい」と同調しつつ、「医療技術の中でも、先進医療に位置付けられているものを保険収載する時には費用対効果の考えを適用することもあり得る」と述べ、医療技術は必要に応じた対応にすべきとした。安達秀樹委員(京都府医師会副会長)も賛同した。
厚労省は、今後検討が必要な項目と検討スケジュール案も示した。検討項目には▽評価手法や評価の活用手法▽評価実施体制の在り方▽ガイドラインの必要性や内容の検討▽評価の在り方―などを挙げた。具体例を用いた検討・議論をした上で年内に中医協総会に検討結果を報告する。(11/7MEDIFAXより)