【中医協】調剤報酬の「加算」が俎上に/中医協総会、支払い側も同意  PDF

【中医協】調剤報酬の「加算」が俎上に/中医協総会、支払い側も同意

 中医協総会は12月4日、調剤報酬を議論した。診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)は、調剤医療費の伸び率の高さや、調剤技術料の加算が取りやすい要件であること、営利企業の大手調剤薬局チェーンに医療費が偏在していることなどを問題提起した。支払い側の白川修二委員(健保連専務理事)も調剤報酬の加算の在り方を議論することに賛成するなど、調剤報酬をめぐる議論が本格化してきた。

 次期改定をめぐっては、大手調剤薬局チェーンの高収益性や調剤医療費の伸びなどから、調剤報酬の在り方を問う声が常に上がっていた。財務省も財政制度等審議会がまとめた建議の中で、調剤報酬体系の見直しの検討を求めている。医療経済実態調査の結果でも、チェーン薬局は店舗数が増えるほど収益率が高いとの結果が示された。

 こうした背景の中、調剤報酬をめぐる本格的な議論が始まった。中川委員は、診療報酬本体部分の改定財源割合が医科、歯科、調剤で「1:1.1:0.3」であることを指摘した上で「調剤医療費の伸びはすさまじく、0.3以上に伸びている」と問題視。薬剤情報提供料を例示し、調剤技術料の加算は取りやすいという認識も示した。ただ、「0.3が問題だという意味ではない」と、配分についての意見ではないことも明確にした。

 安達秀樹委員(日医・社会保険診療報酬検討委員会委員長)も、調剤技術料の算定条件が医科や歯科の加算条件と差があることを指摘し「(処方箋の)3分の2に該当する(院外処方には)体制加算があり、片方にないのは不合理。ここまで(院外)調剤率が高まった今、医科・歯科の基本料と加算の条件、調剤の基本料と加算の条件について、一覧表を出していただき議論する時期に来ている」と述べた。白川委員は「最大の問題意識は、医薬分業で患者の負担が増えているのに、それに見合う分業の効果が実感できないこと。処方箋は増えているのだから、国が後発品を推進するのであれば、例えば後発品調剤体制加算などはなくとも努力すべきだ。調剤報酬の加算の在り方を議論することに賛成する」と応じた。ただ、「激変はまずい」とも述べた。

●日薬の三浦委員は反論
 こうしたやりとりに対して三浦洋嗣委員(日本薬剤師会副会長)が反論。後発品調剤の加算について「薬局では患者への説明などに時間と労力を費やしているし、在庫負担もある。後発品の推進は安い薬を勧めるということで、薬局全体では売り上げを下げることをしている」と薬局の努力に理解を求めた。医薬分業のメリットには「診療所の医薬品在庫は平均120品目、病院は平均780品目、薬局は900品目近くあり、これは医師にとっても患者にとってもメリット」と指摘した。

 保険局医療課は今後、求められた資料の提示などを検討している。(12/5MEDIFAXより)

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