【中医協】診療報酬で手当て、各側から「不透明」/中医協・消費税分科会が初会合
中医協の「医療機関等における消費税負担に関する分科会」は6月20日、初会合を開き、消費税負担の対応策について検討を開始した。専門チームを設置して負担の実態調査を行い、2014年4月に消費税が8%へ引き上がる際の診療報酬での対応などを検
討する。初回は、消費税負担を診療報酬で手当てしている現行の仕組みに対し、診療側と支払い側の双方の委員から「不透明な形になっている」と問題視する声が上がった。
事務局の厚生労働省保険局は分科会に、今後の検討スケジュール案を示した。実態調査については、調査専門チームを設置した上で調査事項や調査設計を固め、12年度後半に一定の集計を実施。消費税導入時と改定時に実施した過去の対応に関する検証も行う。12年度後半には議論の中間整理を行い、13年度中に8%への引き上げ時の対応を取りまとめる。
今村聡委員(日本医師会副会長)は、保険診療を非課税とする一方で、医療機関の消費税負担を診療報酬で手当てしている現行の仕組みについて「診療報酬の中で対応するということは、結局はその分を患者が負担している。負担を減らすという本来の意味とは全く違っている」と指摘。手当ての仕方も、現状では患者や国民、医療提供者に理解できない仕組みになっていると問題意識を示した。
白川修二委員(健保連専務理事)も今村委員に同意し「消費税相当分を国民に診療報酬で払わせるという仕組みがあること自体が非常に問題と個人的には思っている」と指摘。今後のあるべき対応策について意見集約を図る必要があるとの認識を示した。
診療報酬による手当てについては西澤寛俊委員(全日本病院協会長)も「根底から見直す時期に来ているという気がする」と指摘。早急に過去の検証と実態調査を進める必要があるとした。
ただ、関原健夫委員(日本対がん協会常務理事)は、税制の在り方自体に関わる根本的な議論を行うことについて「このタイムスパンの中で、本当にそこまでできるのか」と指摘。一定期間に結論をまとめることを念頭に現実的な議論を進めるべきとした。
分科会長には田中滋委員(慶応大大学院教授)を選出した。(6/21MEDIFAXより)