【中医協】診療側「主病は1つ」是正を/支払い側は「1患者1医療機関」
12月25日の中医協総会に支払い側委員が提示した2014年度診療報酬改定に対する意見では、限りある財源を効率的かつ効果的に配分することを主眼にするとし「一般病床における長期入院の是正による入院期間の短縮、主治医機能の強化による外来受診の合理化・効率化、後発医薬品の使用促進など医療費適正化を図る」との基本的姿勢を示した。
●主治医機能は外来管理加算の包括を/支払い側
外来医療の機能分化では、中小病院と診療所の外来については、主治医機能を強化し、高齢者を中心に複数の慢性疾患を持つ患者に対し全人的かつ計画的に診る評価を導入すべきだとした。具体的には複数の生活習慣病と認知症を罹患している患者1人に対し1医療機関が算定することを前提に、服薬管理や24時間対応などを要件とし、「外来管理加算や指導料などを包括化した評価体系」を提案している。
入院医療の機能分化については、7対1入院基本料を届け出る医療機関は「複雑な病態を持つ急性期の患者に対し、一定の期間集中して高度な医療を提供する医療機関」と明確に位置付けるべきとし、10対1入院基本料も含めて特定除外制度を廃止し、急性期病床にふさわしい患者に特化した医療の提供を提唱。「重症度・看護必要度の見直し」や「DPCデータの提出」などを要件とすべきとした。
現行の仕組みでは、入院基本料の看護職員月平均夜勤時間「72時間ルール」のみを満たせない場合、7対1(1566点)と10対1(1311点)の算定病棟については、特別入院基本料(575点)への脱落を免れ、7対1特別入院基本料(1244点)、10対1特別入院基本料(1040点)を算定できる。支払い側は、13対1と15対1の算定病棟については、7対1や10対1のような特別入院基本料を創設すべきでないとした。
このほか、廃用症候群に関する疾患別のリハビリテーションが適切に実施されるよう運用の厳格化を進めるべきとした。薬剤の7種類規制は堅持を求めている。
●初・再診料の引き上げ要望/診療側
一方、診療側は、初・再診料の引き上げを求めているほか、外来診療料と再診料の同一化を挙げている。外来診療料は、検査・処置等が包括化されているため、出来高算定できるよう求めている。
入院基本料の適切な評価や入院患者の他医療機関受診の取り扱いの見直し、72時間ルールの緩和なども挙げている。
医学管理では「主病は1つという考え方の是正」を掲げた。主治医機能の評価には直接は言及していないが、主治医機能を評価する際に「主病は1つ」の考え方は採用しないよう求めていくとみられる。
このほか、医師事務作業補助体制加算の算定病棟拡大や、在宅療養支援診療所・病院(強化型・従来型)とそれ以外の診療所・病院との在宅点数格差是正、薬剤の7種類規制の廃止などを盛り込んだ。(12/26MEDIFAXより)