【中医協】補填は「基本診療料中心」に慎重論も/消費 税分科会が中間整理案
厚生労働省は8月28日、中医協「医療機関等における消費税負担に関する分科会」(分科会長=田中滋・慶応大大学院教授)に対し、これまでの議論を踏まえ、消費税率が8%にアップした場合の診療報酬による対応について「基本診療料・調剤基本料への上乗せを中心にしつつ、個別項目への上乗せを組み合わせる形で対応する」との基本的な方向を盛り込んだ中間整理案を提示した。「医療機関等の設備投資に関する調査」の結果と共に、9月4日の中医協総会で田中分科会長が報告する。
中間整理案の「基本診療料・調剤基本料への上乗せを中心に」との表現に対しては、支払い側の白川修二委員(健保連専務理事)が難色を示し、医療経済実態調査(実調)の調査結果が出るまでは基本診療料と個別項目の組み合わせという表記にとどめるべきと強く主張した。
これに対し診療側の西澤寛俊委員(全日本病院協会長)は「これまでも基本診療料・調剤基本料に上乗せすることを中心に考えようという議論があった」とし、議論の流れからも厚労省の整理案を支持した。公益の関原健夫委員(日本対がん協会常務理事)も整理案を支持した。
しかし白川委員は「私もこれまでそう発言したが、課税経費などを実調で確認した上で、どういう割合でやるべきかを考えた方が、より公平な対応が図られると思う。今の段階で(基本診療料を)中心と書き込むことはいかがなものか」と重ねて指摘した。
こうした議論を踏まえ今村聡委員(日本医師会副会長)は「公平感という点では基本診療料という考え方でよいのではないか」とした上で、「基本診療料を中心にしつつという文言を残した上で、基本診療料と個別項目の割合についても実調の結果を踏まえ今後検討するということでよいのではないか」と折衷案を示した。
それでも支払い側の藤原清明委員(経団連・経済政策本部長)は「『中心にしつつ』は削除してもらいたい」とした上で、患者から見た場合、非課税なのに費用負担が増えることへの納得感や公平性に関しては議論されていないと指摘した。
このほか小林剛委員(全国健康保険協会理事長)も「こだわるようだが、基本診療料と個別項目については、実調を踏まえて(個別項目を)増やすということでよいのか」と質問するなど、支払い側委員は強いこだわりを見せた。ただ、最終的には白川委員が「分科会長に一任する」と発言。田中分科会長は各側の意見を踏まえて修文する考えを示した。(8/29MEDIFAXより)