【中医協】薬価財源外しなら「大激変」/中医協総会で診療側委員  PDF

【中医協】薬価財源外しなら「大激変」/中医協総会で診療側委員

 厚生労働大臣宛ての次期改定に向けた意見書をまとめた12月11日の中医協総会では、診療側から改定財源を危惧する声が上がった。安達秀樹委員(日本医師会・社会保険診療報酬検討委員会委員長)は、政府は診療報酬に使う消費増税の財源を最低限に抑えようとしているのではないかとし、中川俊男委員(日本医師会副会長)は「薬価や材料の引き下げ財源を本体改定の財源にしないのは、私の認識では大激変だ」と訴えた。

 次期改定の意見書には、最後の部分に「我が国の医療が抱える様々な問題を解決するためには、診療報酬のみならず、幅広い医療施策が講じられることが必要であり、この点についても十分な配慮が行われるよう望む」と記載された。安達委員がこの文書の趣旨を問うと、保険局医療課の竹林経治・保険医療企画調査室長が、過去の意見書の文言を踏襲したためだと説明した。

●基金への財源投入の考え方が顕著/安達委員
 それを受け安達委員は「消費増税財源を全額社会保障に使うのが3党合意だが、改定率の財源について、水面下の話が漏れ聞こえてくる」と語り、「診療報酬に充てる増税分は、例えば控除対象外消費税への対応部分だけなど最低限にする。あとは診療報酬ではなく再生基金などへ財源投入をし、それをもって医療への税投入をしたことにしようという考え方が非常に顕著に出ている」と述べた。意見書の最後に「診療報酬のみならず」という文言があることなどを指し「ただ単に従来の踏襲として入れることについて、非常に強い違和感がある」と懸念を表明した上で、意見書を了承した。

 中川委員は意見書を了承した上で「近年の診療報酬改定で、薬価・材料引き下げ財源を全体の改定財源にしなかったことはあるか」と事務局に質問した。保険局医療課の宇都宮啓課長は「(改定率が)トータルでマイナスになったときに、結果として薬価財源が入っていると解釈するのか、しないのかという見方はある」と回答した。

 中川委員は「薬価・材料引き下げ財源を本体改定の財源にしないのは、私の認識では大激変で、極めて異例という認識だ」と声を上げ、薬価財源切り離しに異を唱えた。(12/12MEDIFAXより)

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