【中医協】薬価乖離率は約8.2%、財源約5600億円/薬価本調査
厚生労働省は12月6日の中医協総会に、2013年の9月取引分を対象にした薬価本調査の速報値を報告した。平均乖離率は約8.2%だった。14年度の薬剤費を9兆円と仮定し、平均乖離率から調整幅2%を引くと市場実勢価格に基づく引き下げはマイナス約6.2%で、約5600億円。この引き下げ財源が診療報酬本体の引き上げに充当されるかどうかが今後の焦点となる。
薬価改定では市場実勢価格による改定以外にも、市場拡大再算定など薬価を引き下げるルールや、医療上の必要性が高い既収載品などを対象にする「不採算品目再算定」のように薬価を引き上げるルールがある。そうした複数のルールの結果を5600億円から差し引きした金額が、正確な薬価の引き下げ額となる。
投与形態別の乖離率は、内用薬が8.8%、注射薬が6.8%、外用薬が7.2%、歯科用薬剤が0.7%だった。
厚労省はまた、特定保険医療材料価格調査(材料価格本調査)の平均乖離率が約8.9%だったことも報告した。一部の製品を除き、5−9月の取引分を対象にした。
●妥結率の低さに問題意識 白川委員
厚労省によると、薬価調査をした9月時点の価格妥結率は73.5%だった。白川修二委員(健保連専務理事)は「約26%が未妥結。この要因は何なのか」と、薬価調査の信頼性を損ないかねない妥結率の低さに問題意識を示した。(12/9MEDIFAXより)