【中医協】病院は0.5ポイント改善も依然赤字、有床診は悪化/医療経済実調
厚生労働省は11月6日の中医協に、次期診療報酬改定の基礎資料となる2013年医療経済実態調査の結果を報告した。直近2事業年度の損益率(医業・介護収益から費用を引き、医業・介護収益で割ったもの)を比べると、一般病院全体では0.5ポイント改善したが依然赤字で、平均収支はマイナス1136万5000円(11年度マイナス2932万円)だった。精神科病院は0.6ポイント悪化。一般診療所は有床診がやや悪化し、無床診はやや改善した。
調査は病院、一般診療所、歯科診療所、保険薬局の12年度までに終了する直近2事業年度分の損益状況を調べ、前回改定前の11年度と改定後の12年度の状況を比較できるようにした。調査対象は全国の病院、一般診療所、歯科診療所と、1カ月間の調剤報酬明細書の取扱件数が300件以上の保険薬局を層化無作為抽出した。有効回答率と回答数は、病院が54.5%(1429件)、一般診療所が50.6%(1715件)、歯科診療所が55.1%(645件)、保険薬局が54.6%(915件)だった。
一般病院の損益率を全体で見ると、12年度はマイナス0.4%(11年度マイナス0.9%)で改善傾向を示したが、赤字の状態に変わりはなかった。内訳では医療法人が4.4%(同4.3%)と、ほぼ横ばい。国公立では国立が12年度マイナス0.1%(同マイナス0.5%)、公立が12年度マイナス5.8%(同マイナス6.5%)と、いずれも改善はしたが赤字だった。精神科病院全体では12年度マイナス0.6%(同マイナス0.0%)だった。精神科病院の平均収支はマイナス929万4000円(同マイナス61万7000円)で、赤字額が大きく増えている。
一般診療所の損益率を全体の数字で見ると、12年度は13.7%(同13.1%)となった。個人立では12年度29.4%(同28.3%)、医療法人は12年度6.0%(同5.7%)だった。有床診と無床診で見ると、個人立、医療法人を含む有床診全体で12年度8.7%(同9.0%)とやや悪化、無床診は12年度14.8%(同13.9%)とやや改善した。有床・無床を含む一般診療所全体の平均収支は1786万7000円(同1670万5000円)の黒字だった。
歯科診療所の損益率は、全体で12年度20.3%(同20.2%)と横ばいだった。
●保険薬局の損益率、悪化
保険薬局の損益率は、個人、法人ともに悪化した。個人立が12年度9.9%(同10.6%)、法人が12年度5.3%(同6.3%)で、保険薬局全体では12年度5.5%(同6.5%)と1ポイント悪化した。保険薬局全体の平均収支は921万2000円(同1058万8000円)で、11年度より約138万円減少している。
保険薬局の調査では、今回新たに店舗数別の損益率も調べた。どの区分でも悪化しているが、店舗数が多いほど損益率の数値は高い傾向にある。(11/7MEDIFAXより)