【中医協】無料明細書の発行義務付けを拡大/中医協総会
中医協総会は12月11日、明細書の発行について議論した。電子レセプト請求の義務付け対象となっている400床未満の病院も、一定の経過措置を設けた上で明細書の無料発行を義務付ける方向となった。ただ、400床未満を一律に扱うことに診療側から疑義が出ており、対象となる病床数は確定していない。
医療費の具体的な内容を患者に情報提供するため、厚生労働省はこれまでの改定で明細書発行の義務化や無料化を進めてきた。前回改定では電子レセプト請求の義務付け対象となっている400床以上の病院について、2014年4月以降は明細書を無料発行することを義務付けた。ただ、14年3月までは▽明細書発行機能が付与されていないレセコンを使用▽自動入金機の改修が必要―という「正当な理由」がある場合は例外とされている。
厚労省は前回改定時の付帯意見に、明細書の無料発行をさらに促進させることが記載されていることなどを受け、14年4月から、400床未満の病院にも明細書の無料発行義務付けを提案した。ただし一定の経過措置期間を置き、その間は「正当な理由」があれば例外とする。
方向性に大きな反論はなかったが、診療側の鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は「400床未満では幅がありすぎる。例えば真ん中の200床で線を引くのはどうか」と、200−399床を対象にすべきと提案した。
厚労省はこのほか、「正当な理由」の大半が「明細書発行機能が付与されていないレセコンを使用している」ことだったことを受け、今後はそうした医療機関にレセコンの改修時期を届け出てもらうことも提案。診療側から難しさを指摘する声が出た。
厚労省は有料明細書の金額についても論点を示した。「正当な理由」を届け出ている医療機関は、明細書を有料で発行することもできるが、厚労省は保険局長通知で「1000円を超える額はふさわしくない」と指導している。総会に、最大で5250円を徴収している医療機関があることを例示し「1000円超を徴収する場合は、患者に分かるように料金設定の根拠を提示する」とした。厚労省の調べでは、有料明細書の平均額は464円だった。(12/12MEDIFAXより)