【中医協】消費税8%時の対応で具体的議論を開始/中医協・分科会  PDF

【中医協】消費税8%時の対応で具体的議論を開始/中医協・分科会

 厚生労働省は6月21日の中医協「医療機関等における消費税負担に関する分科会」(分科会長=田中滋・慶応大大学院教授)に、消費税8%時点の診療報酬による対応案を提示した。1点単価の引き上げ案は診療・支払いの各側ともに反対。診療側からは、原則課税など抜本見直しを見越して、8%時の対応は過渡的なものとの意見もあった。

 厚労省は基本的な考え方として「診療報酬本体分について、医療経済実態調査等のデータから医療機関等の消費税負担額を算出し、医科、歯科、調剤ごとにそれに見合う手当(消費税3%対応分)を行う」と提案。具体的な手当て方法としては▽案1=基本診療料・調剤基本料に消費税対応分を上乗せ▽案2=消費税負担が大きいと考えられる点数項目に代表させて消費税対応分を上乗せ▽案3=1点単価に消費税対応分を上乗せ─に加え「高額投資の加算」の4案についてメリットとデメリットを示した。薬価と特定保険医療材料価格については、消費税対応分が含まれていることを明確化するため▽案1=告示等で区分して表示▽案2=案1に加え、患者への明細書等で区分して表示―の2案を提示した。

●初・再診料の病診格差は認めない/白川委員
 支払い側の白川修二委員(健保連専務理事)は「案3の1点10円を変えるような手段は取るべきでない。社会的影響が大きい。公平性を考慮すると従来の案2と案1の組み合わせが必要ではないか」と述べた。その上で「案1については、診療所が初・再診料、病院は入院基本料への上乗せは今の段階で議論すべきでない。実調の結果を見て、財源の規模感を踏まえて検討すべきだ。診療所と病院は初・再診料が同一点数であり、増税によって点数を変えることには反対だ」と述べた。高額投資の加算も反対とした。

●8%の対応は過渡的なもの/今村委員
 今村聡委員(日本医師会副会長)は「10%時点での抜本的な税制対応を議論してもらっている」とした上で「8%の対応は過渡的なもので、あまり精緻な仕組みをつくる要請はないのではないか。全ての医療機関、医科・歯科・薬価に公平にということは難しいかもしれないが、3%アップによる大きな凸凹が無いように対応してほしい」と述べた。

 その上で「案3は、日医としてはないだろうと考えている。案1か、案1プラス案2か、課税転換を考えれば、補填する部分にこだわる必要はあまりないのではないか」と指摘。「薬価については精緻な金額の表示は混乱を招くと考えている。補填されていることが何らかの形で分かるような表示を工夫してほしい」と述べた。

 一方、病院団体から出ている委員らは即答を避け、次回にも見解を示すとした。(6/24MEDIFAXより)

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