【中医協】消費税10%時点も「非課税」/厚労省が説明、診療側「驚いている」
厚生労働省大臣官房の唐澤剛審議官は4月11日の中医協総会(会長=森田朗・学習院大法学部教授)で、控除対象外消費税問題について「8%、10%までは高額な投資(への対応)と、診療報酬制度で対応するというのが政府全体の決定」と述べ、消費税を8%へ引き上げる段階だけではなく、10%の段階でも非課税を維持し診療報酬で補填する現行の仕組みを踏襲する考えを示した。診療側の西澤寛俊委員(全日本病院協会長)は「10%に上がるときは、課税を含めて議論すると実は捉えていた。今の説明に驚いている。持ち帰って検討させてもらいたい」と述べた。
消費税率をめぐっては、政府が2014年4月から8%へ、15年10月から10%へ段階的に引き上げる方針を決めている。2月17日に閣議決定した「社会保障・税一体改革大綱」では、社会保険診療に関わ消費税について「今回の改正に当たっては、諸外国でも非課税であることや課税化した場合の患者の自己負担の問題などを踏まえ、非課税の取り扱いとする」とした。
大綱で示している「今回の改正」とは8%段階だけを指すのか、10%段階まで含むのか─。四病院団体協議会は、12年1月にまとめた意見書の中で「今回の改正」がどの時点までを指しているのか明確ではないと指摘していた。ただ、社会保険診療報酬の原則課税を求めている医療関係者の間では、8%段階での非課税は決まってしまったが、10%の段階では課税化も含めた議論の余地があるとの認識でほぼ一致していた。
この日の中医協総会では前回に続き、消費増税を見据え14年度改定前の早い段階に新たな分科会を設置し、診療報酬での対応などを検討する厚労省の提案について議論した。厚労省が示したスケジュール案は、13年度前半に8%引き上げ時の対応を整理するとなっていたことから、鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は「10%については、いつどこで議論するのか。さらに10%を超えた場合、われわれとしては課税も含めた抜本的な見直しを要望しているが、それはどこで議論するのか」と質問した。
唐澤審議官は、8%の段階と10%の段階では対応の枠組みが基本的に同じであると説明。「高額な設備投資に対応する部分と、診療報酬で手当てする部分がある。枠組みは同じだが、2回手当てをする」と述べた。
総会では、14年度改定に向けて早い段階から議論に取り掛かる必要がある▽医療技術(薬剤、材料を含む)評価での費用対効果導入▽長期収載品の薬価の在り方▽基本診療料の在り方▽診療報酬での消費税の取り扱い―の4項目について、検討を行う場やスケジュールなどの概要を固めた。(4/12MEDIFAXより)